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レンタルサーバーの勘定科目は?サーバー代・ドメイン使用料の仕訳の書き方

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レンタルサーバーの勘定科目を解説

レンタルサーバー代やドメインの使用料を仕訳する際、選ぶ勘定科目は複数あります。個人で副業している人や法人で新しくレンタルサーバーを利用し始めた人に向けて、レンタルサーバー代やドメイン使用料の仕訳方法を解説します。勘定科目の背景を理解して、正しく記帳できるようにしましょう。

レンタルサーバー代・ドメイン使用料の勘定科目

レンタルサーバー代やドメイン使用料は、経費として帳簿に記録しなければなりません。たとえば、自社のホームページをホスティングしているレンタルサーバーの費用や、ドメインの管理費用は経費科目で仕訳計上します。

レンタルサーバー代やドメイン使用料を仕訳計上する際、勘定科目に決まりはありません。主に利用される勘定科目として、以下があります。

  • 通信費
  • 支払手数料
  • 広告宣伝費
  • 貸借料

どの勘定科目で仕訳しても間違いではありませんが、一度決めた勘定科目は継続して使用しなければなりません。決算のタイミングで勘定科目を変えると税務署から不審に思われて、臨時の監査対象になることがあるので注意しましょう。

通信費で仕訳する方法

レンタルサーバー代やドメイン使用料を通信費で仕訳する方法を解説します。通信費とは、業務上で発生した通信・連絡のためにかかった費用のことです。具体的には電話料金、電報代、郵便代、宅配便、ハガキ・切手代、年賀状、Wi-Fiやプロバイダーなどのインターネット利用料などが含まれます。通信や書類などの郵便物に関わる費用を処理しますので、仕訳する機会の多い勘定科目と言えるでしょう。

レンタルサーバー代やドメイン使用料は「インターネット上で通信を行うための費用」として認識できるため、通信費で仕訳計上が可能です。

通信費の仕訳例は、以下のようになります。

例)レンタルサーバーの利用料として、1,000円を現金で支払った場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
通信費
(インターネット代)
1,000円現金1,000円

企業活動では、先の例に挙げたように通信費の勘定科目を多く利用します。そのため「インターネット代」とした補助科目を活用するといいでしょう。

支払手数料で仕訳する方法

レンタルサーバー代やドメイン使用料を支払手数料で仕訳する方法を解説します。支払手数料とは、商品やサービス単体の利用料ではなく、それに付随して発生する費用を計上するときに利用する勘定科目です。

支払手数料と間違いやすい科目に販売手数料があります。販売手数料は、商品やサービスを販売したときに利用した費用なので、支払手数料とは分けて管理します。支払手数料の例には、銀行への振り込み手数料や仲介手数料、登録手数料などがあります。

レンタルサーバー代やドメイン使用料は「運営を委託している手数料」として認識できるため、支払手数料での仕訳計上が可能です。

支払手数料の仕訳例は、以下のようになります。

例)レンタルサーバーの更新料として、800円を現金で支払った場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
支払手数料
(インターネット代)
800円現金800円

支払手数料の利用頻度は多岐にわたるため、補助科目に「インターネット代」と記帳するとわかりやすくなるでしょう。

広告宣伝費で仕訳する方法

レンタルサーバー代やドメイン使用料を広告宣伝費で仕訳する方法を解説します。広告宣伝費とは、会社の商品やサービスを既存のお客様や不特定多数のお客様向けにアピールする際にかかった費用のことです。たとえば、商品をアピールするためのチラシ作成費用やSNSに出稿する広告料などがあります。

広告宣伝費と間違いやすい勘定科目に販売促進費があります。どちらも外部に商品やサービスを販売するために利用する勘定科目ですが、広告宣伝費は間接的なアピール、販売促進費は直接的なアピールとして区別するといいでしょう。そのため、テレビCMや新聞広告・屋外広告は間接的なアピールなので広告宣伝費になります。

レンタルサーバー代やドメイン使用料を「外部に商品・サービスをアピールする費用」として認識できるため、広告宣伝費での仕訳計上が可能となります。

広告宣伝費の仕訳例は、以下のようになります。

例)レンタルサーバーの利用料として、5,000円を現金で支払った場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
広告宣伝費5,000円現金5,000円

ホームページを作成したときの費用も広告宣伝費で計上しておくと、一貫性が出やすくなるでしょう。

貸借料で仕訳する方法

レンタルサーバー代や回線を賃借料で仕訳する方法を解説します。賃借料とは、会社が借りている土地や建物、機械・什器・車両などの費用で利用する勘定科目です。たとえば、貸会議室を利用した料金やユニホームのレンタル費用も賃借料として計上します。

レンタルサーバー代は、インターネットを通してレンタルしていると考えることができるため、賃借料での計上が可能です。

一方、ドメインは購入して使用する料金なので賃借料は適しておらず「通信費」や「広告宣伝費」を利用します。

賃借料の仕訳例は、以下のようになります。

例)レンタルサーバーの利用料として、10,000円を現金で支払った場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
賃貸料
(インターネット代)
10,000円現金10,000円

レンタルサーバー代やドメイン使用料と分かりやすくするために「インターネット代」の補助科目で計上するといいでしょう。

支払い方法による貸方の勘定科目

企業だけでなく、個人事業主や副業をしている人も一定以上の所得がある場合は、複式簿記を用いて仕分け計上しましょう。個人事業主が複式簿記を利用すると、節税対策になる青色申告ができる点がメリットです。単式簿記の場合は、10万円の控除が受けられるのに対して、青色申告だと最大55万円(e-taxの利用で65万円)の控除が受けられます。

複式簿記を利用する場合、貸方の勘定科目は費用の支払い方法によって異なります。レンタルサーバー代やドメイン使用料の支払い方法は、主に銀行振込や自動引き落とし、クレジットカード払い、電子マネーやコンビニ払いになります。

仕訳のしやすさを考えれば、銀行振込・自動引き落としがいいでしょう。

それぞれの仕訳計上方法について、解説します。

銀行振込・自動引き落としの場合

銀行振込・自動引き落としの場合、貸方の勘定科目は「普通預金」または「当座預金」になります。銀行振込の場合は、振込手数料がかかります。レンタルサーバー代やドメイン使用料の支払いにおいて、振込手数料が自社負担か他社負担かを確認しておきましょう。

以下、銀行振込・自動引き落としの場合の仕訳事例を紹介します。

例)レンタルサーバーの利用料として、1,000円(うち200円は振込手数料)を銀行振込で支払った場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
広告宣伝費800円普通預金1,000円
支払手数料200円 – –

クレジットカード払いの場合

レンタルサーバー代やドメイン使用料をクレジットカードで支払う場合は、貸方の勘定科目に注意しましょう。事業用口座に結びついたクレジットカードで支払いする場合と個人用口座に結びついたクレジットカードで支払う場合とで仕訳計上の方法が変わります。

事業用口座に結びついたクレジットカードで支払いする場合

レンタルサーバー代やドメイン使用料を事業用口座に結びついたクレジットカードで支払いする場合、貸方の勘定科目を「未払金」にして仕訳計上します。未払金とは、後払いの約束で商品以外の物品やサービスを購入したときに利用する勘定科目です。販売目的の商品を仕入れて、後で支払する場合は「未払金」ではなく「買掛金」になる点に注意しましょう。

事業用口座に結びついたクレジットカードで支払いするときは、先に未払金で計上した後、実際にクレジットカード会社に支払う日に未払金を普通預金で消し込むことになります。

例)レンタルサーバーの利用料として、1,000円をクレジットカード(事業用口座)で支払った場合

【レンタルサーバーの利用料をクレジットカードで決済した日】

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
通信費1,000円未払金1,000円

【クレジットカード会社から引き落とされる日】

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
未払金1,000円普通預金1,000円

勘定科目の未払金が消込されて、通信費/普通預金の結果になります。

個人用口座に結びついたクレジットカードで支払いする場合

レンタルサーバー代やドメイン使用料を個人用口座に結びついたクレジットカードで支払いする場合、貸方の勘定科目を「事業主借」にして仕訳計上します。事業主借とは、事業と事業主個人の間で金額のやりとりを記録するための勘定科目になります。

個人用口座に結びついたクレジットカードで引き落としがあった際に処理をする必要はありませんが、決算の際には事業主借の整理が必要です。事業主借を元入金に一括で振り替えて処理をします。

例)レンタルサーバーの利用料として、1,000円をクレジットカード(個人用口座)で支払った場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
通信費1,000円事業主借1,000円

電子マネー・コンビニ払いの場合

レンタルサーバー代やドメイン使用料をコンビニ払いとする場合、貸方の勘定科目は現金で問題ありません。そのため、以下のような仕訳になります。

例)レンタルサーバーの利用料として、1,000円をコンビニ払いで支払った場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
通信費1,000円現金1,000円

一方、レンタルサーバー代やドメイン使用料を電子マネーで支払う場合は、電子マネーの種類によって計上方法が変わります。

電子マネー(プリペイド式)の場合

プリペイド式の電子マネーは、チャージされた金額から支払うことになります。そのため、事前にチャージした金額を預け金として支払いする仕訳を計上しましょう。

例)レンタルサーバーの利用料として、1,000円を電子マネー(プリペイド式)で支払った場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
通信費1,000円預け金1,000円

電子マネー(デビットカード)の場合

デビットカードは、支払いと同時に預金残高から引き落とされることになります。そのため、支払う時の貸方勘定科目は普通預金になります。

例)レンタルサーバーの利用料として、1,000円を電子マネー(デビットカード)で支払った場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
通信費1,000円普通預金1,000円

電子マネー(ポストペイ)の場合

ポストペイはクレジットカードと連動した後払いの仕組みです。他のクレジットカードと合わせて引き落とされるため、貸方の勘定科目が未払金になります。

例)レンタルサーバーの利用料として、1,000円を電子マネー(ポストペイ)で支払った場合

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
通信費1,000円未払金1,000円

レンタルサーバーを長期契約する場合の仕訳例

レンタルサーバーは2年・3年と長期契約になることがあります。その際には、契約時に一括して料金を支払うことになり、仕訳の際に「按分」と呼ばれる作業が必要になります。

2年契約でレンタルサーバーを契約して一括で支払ったとき、仕訳計上できるのはその年度で利用する分のみになります。例えば、レンタルサーバーを契約した月が5月だったとしましょう。法人の決算月が3月であった場合は、計上できるのは11か月分になりますし、個人事業主の場合は月で締めるため8か月分の計上になります。

長期でレンタルサーバーを契約した時の仕訳は以下のようになります。

例)レンタルサーバーの24か月分の利用料として、20,000円をまとめて銀行振込で支払った場合

初年度

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
前払費用20,000円普通預金20,000円
通信費10,000円前払費用10,000円

翌年度

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
通信費10,000円前払費用10,000円

まとめ

レンタルサーバー代やドメイン使用料を支払うときには、さまざまな勘定科目で仕訳が可能です。仕訳の際に利用した勘定科目は、今後も同じ勘定科目で仕訳しなければなりません。また、支払方法によっても仕訳方法に違いがある点に注意しましょう。

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