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クラウドとは?基本情報や仕組み、導入のメリットなど

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近年、IT関連の用語の一つとして「クラウド」という言葉を聞く機会が増えてきました。

実際にサービス名にクラウドという言葉が付いており、何となく分かった気になっている事が多いですが、本当の意味でこのクラウドを理解されている方は意外と少ないです。

ここではそんなIT用語であるクラウドについてご紹介いたします。

クラウドとは

まずはクラウドがどういった意味を持つ用語なのか、クラウドを活用したサービスの仕組みだったり、物理サーバーとの違いについてご紹介します。

クラウドの意味

IT業界でいうクラウドとはクラウドコンピューティングの略称で、インターネットを介してITリソースや、アプリケーションソフトウェアなどを利用できるサービスのことを指しています。

少し前までは、ITリソースやアプリなどは全て物理サーバーで提供されていました。しかし、クラウドが登場したことにより自社で物理サーバーを購入して使用するという手段を取らずとも、クラウドサービスとして利用することが可能となりました。

クラウドの基本的な仕組み

このクラウドを使用したサービスですが、基本的な仕組みとしてはインターネット上のサーバーからインターネット経由で様々なITリソースをオンデマンドで利用することができるものです。

イメージとしては、いままで自社に設置していたサーバーの代わりに、インターネット上に設置されたサーバーを使えるイメージとなります。

ローカル環境などではなくインターネット経由で利用することになりますので、従来の様な自社ビルや事務所に行かないと作業ができないという縛りがなくなり、出張先や自宅からのリモートワーク中でも社内システムやアプリなどを使用できるようになります。

クラウド誕生のきっかけ

雲を英語でクラウドと言いますが、ここで言うIT用語のクラウドもその雲にかけて例えられる様になったことがクラウドの始まりだという説があります。

上記の通り、クラウドはインターネット上にあるサービスを使用できますので、それをインターネットの向こう側、じっさいにどうなっているのか見えない、すなわち雲の中にあるサービスという事でクラウドと表現されるようになったそうです。

そんなクラウドですが、誕生のきっかけはアプリやデータの配布難易度が原因となっています。

1990年代後半頃にはそれまで高額だったコンピューターが安くなり始めた時期でもあり、多くの企業で莫大な量のコンピューターが普及、その結果その莫大な数のコンピューターに対してアプリやデータといったITリソースを行き渡らせるために莫大なコストが要求されるようになりました。

その解決方法としてクラウドが考案され、PCに個別に存在していた ITリソースを一つの場所にまとめて管理することで今まで必要だったコストを大きく削減できるようになりました。

これが後にクラウドと呼ばれ、その技術も進化していくことになります。

クラウドの特徴

次にクラウドにどの様な特徴があるのかをご紹介します。

ここで紹介するクラウドの特徴に関しては、NISTという米国国立標準技術研究所で行われた定義によって挙げられているものとなります。

  • オンデマンド・セルフサービス
  • 幅広いネットワークアクセス
  • リソースの共用
  • スピーディな拡張性
  • サービスが計測可能であること

これらの特徴は「いずれか一つでも当てはまれば」ではなく、「いずれも該当する」ことが一般的にクラウドと呼べるものと定義されています。

※事業者提供の「クラウド関連のサービス」にはこれらの特徴が該当しない場合もあります。

オンデマンド・セルフサービス

クラウドの1つ目の特徴はオンデマンド・セルフサービス(On-demand self-service)です。

これは何かしらのアプリなどを起動する際に、そのサービス提供者に直接やり取りを行って使用できる状況にするのではなく、必要な工程を経て自動的に利用できるサービスを指しています。

よって、利用者が利用者側の都合にあわせてサーバーの稼働時間だったりストレージなどのスペックを設定できます。

幅広いネットワークサービス

クラウド2つ目の特徴は、幅広いネットワークアクセス(Broad network access)が可能である事です。

これはネットに繋がっていれさえすれば、パソコンなどのコンピューターだけではなく、iPhoneなどのスマホやタブレット、ワークステーションなどプラットフォームを問わず利用が可能であることを指しています。

リソースの共用

クラウドの3つ目の特徴は、リソースの共用(Resource pooling)が可能である事です。

ここで言う「リソース」は、ストレージや処理能力、メモリ、ネットワーク帯域などを指しており、複数のユーザに対して共有することを指しています。

これはユーザーにとっては平等なサービス利用が可能というメリットがあり、サービス提供側としてもリソースの利用効率を高められるというメリットがあります。

スピーディな拡張性

4つ目の特徴は、スピーディな拡張性(Rapid elasticity)があるということです。

ここで言う「拡張性」はサーバーでいうところのCPUだったりストレージメモリなどの事を指しており、グレードアップである拡張もしくはグレードダウンである縮小を任意のタイミングで行えることが挙げられます。

サービスが計測可能であること

5つ目の特徴は、サービスが計測可能であること(Measured Service)です。

ここでの計測対象はストレージや処理能力、帯域、有効なアカウント数などを指しており、これらの対象を計測できることが条件となっています。

これらを計測する事によりリソースの利用状況をコントロールする事ができ、これを基にクラウド使用料の算出も可能となります。

クラウドサービス導入のメリット

クラウドのサービスを導入する事は、物理サーバーと比較すると様々なメリットを受け取る事が可能です。

いずれも今までとは大きく異なる部分となり、コストだけではなく作業量にも影響を与えます。

コストカット

クラウドサービス導入の1つ目のメリットは、コストカットに繋がるというものです。

物理サーバーで自社運用を行うとなった場合、サーバーなどの機材を揃える費用に加え、それを管理運用できる人材の確保、その人材の人件費、変動コストといった費用が必要になります。

しかし、これらの費用はクラウドサービスを導入する事によって、もろもろ不要になります。

リソース調整が容易

前述でもご紹介の通り、クラウドの場合は物理サーバーと違ってリソースの変更を簡単に行う事が可能です。

そのため、物理サーバーの様にサーバーを増やすごとに機器やスペース確保に時間と費用をかける事になりますが、クラウドであれば今あるクラウド環境に新しくサーバーを立てるだけで完了となります。

すなわち、新たに導入するサーバー代やその設置場所のスペース確保など行う必要がなく、無駄なくスピーディーに事業を進める事が可能となります。

導入速度のアップ

クラウド環境では、物理サーバーとは異なり新しいITリソースの導入に時間が掛からないメリットがあります。

従来であれば新しいITリソース導入には数週間もしくはそれ以上の時間が掛かりますが、クラウド環境の場合はそれこそ分単位といった短い時間で導入が可能となります。

※もちろん、その作業が可能な技術者やサービスの存在は不可欠です。

これにより新規事業や新サービスの検証や開発も迅速に行えるようになり、開始時期も早められるという会社の俊敏性に大きく貢献する事が出来ます。

サーバーの運用管理が不要

コスト面でのメリットにも関係する部分ではありますが、クラウドサービスを導入する事によってサーバーの運用や管理が不要になります。

物理サーバーを自社で持つとなると、当然そのサーバーを運用するエンジニアが必要になります。それだけではなく、そのサーバーで稼働させるサービスが24時間稼働させる必要がるものであれば、それを管理する時間も24時間365日必要になります。

しかし、クラウドサービスを導入する場合は、クラウド上にあるものを使用する事になりますので、自社でサーバーを置く必要がなくなり、それに伴って運用や管理の必要性もなくなります。

それらの運用管理はサービス提供者、弊社で言えばカゴヤ・ジャパンのデータセンターに常駐しているスタッフが代行する事になり、人件費を大きく抑える事が可能となります。

クラウドの3つのサービスモデル

クラウドの3種SaaS、PaaS、IaaS

クラウドと一口に言っても、そのサービスモデルは3つに分類されています。

  • SaaS(サース)
  • PaaS(パース)
  • IaaS(イアース)

SaaS(サース)

クラウドのサービスモデルの1つであるSaaSはSoftware as a Serviceの略称で、ネットを通じて既に完成されているアプリケーション(Webメール、グループウェア、顧客管理、財務会計)を提供するタイプのクラウドサービスです。

SaaSの特徴としては、あくまでも完成されているアプリケーションを使うだけに留まりますので、メンテナンスや管理が不要である代わりに、提供されているアプリの機能自体に変更を加える事は出来ません。

SaaS代表例
  • Microsoft Teams
  • ZoomやSkype
  • LINE WORKS
  • freee会計

PaaS(パース)

PaaSはPlatforms as a Service の略称で、ネット経由でアプリケーションの開発や実行するサーバーやデータベースといった環境を提供するタイプのクラウドサービスです。

特徴としては、あくまでもアプリケーションの開発・実行を行う環境を貸し出すサービスですので、インフラ領域(サーバーやネットワーク、OSなど)の管理に関してはこちら側で行う必要はなく、開発などの本来の業務に注力する事が可能です。

PaaS代表例
  • Amazon Web Services(AWS)
  • Google App Engine
  • Google Cloud Platform

IaaS(イアース)

IaaSはInfrastructure as a Serviceの略称で、ネットを介して仮想化されたデスクトップやデータストレージ領域へのアクセスといったインフラ機能そのものを提供するクラウドサービスです。

※HaaS(Hardware as a Service)も同義です。

IaaSの特徴としては、インフラ機能そのものはクラウドサービス提供者が操作・管理するので、こちらで操作する事は出来ません。代わりにその上で稼働するOSを含む任意のソフトウェアに関しては、こちらで自由に動かすことが出来ます。

IaaS代表例
  • AWS
  • Google Cloud Platform
  • Microsoft Azure

クラウドの実装モデル

クラウドの実装モデルは4つ存在します。

それぞれの実装モデルに特徴があり、それと同時にデメリットとなる特徴も持っています。

プライベートクラウド

プライベートクラウドはその名の通り、プライベートな環境すなわち限定されたユーザーのみが使用できる様に構築されたクラウド環境です。

そんなプライベートクラウドですが、ここから更に細分化が可能です。

オンプレミス型ホスティング型
自社内にハードウェアを所有し、オンプレミスでクラウド環境を構築するため自由度は非常に高くなります。
しかし、代わりにハードウェアの資産管理や保守運用のコストがかかるデメリットがあります。
ハードウェアを所有せず、クラウドサービス提供事業者にホスティングされている自社専有のハードウェアにクラウド環境を構築します。
オンプレミス型と比較して保守運用コストがかからないメリットがあります。

カゴヤのFLEXプライベートクラウドパッケージはホスティング型に該当し、VMwareのプライベートクラウド環境を低価格で簡単に利用開始できます。専有ハードウェアにvSphereによる仮想環境が構築済で、導入支援もあるためスピーディーに導入可能です。

コミュニティクラウド

コミュニティクラウドはプライベートクラウドよりも提供される対象が緩く、特定の業種やコミュニティに対して提供されます。

主に銀行だったり教育機関、地方自治体などセキュリティ面を重視しつつ、業務を行う対象者と連携を取りながら業務にあたる必要がある場面で利用されます。

2021年には政府向けのコミュニティクラウドも提供が開始されています。

パブリッククラウド

パブリッククラウドは、上記2つのクラウドとは異なりネットを介して世界中のユーザーに共有されるクラウドサービスです。

ITリソースが他ユーザーと共有する形態を取る事になりますので、費用面をかなり抑えられるというメリットがあります。

その分、当然カスタマイズの自由度は格段に落ちてしまいますので、提供されるクラウドサービスをそのまま利用するしかないというデメリットもあります。

ハイブリッドクラウド

4つ目のハイブリッドクラウドは、ここまで紹介したクラウドの実装モデルをミックスしたクラウドとなります。

具体的には、お客様の個人情報やクレジット番号などを取り扱う業務ではセキュリティの強さが求められますので、その業務を行うシステムだけをプライベートクラウドに構築。一方でネット上で一般公開するような提供サービスやシステムに関しては、パブリッククラウドにそのシステムを構築します。

その為、一時的に過負荷が起こったとしてもパブリッククラウドの特性から高い安定性を維持でき、費用面でもプライベートクラウドに比べて安価に抑える事が可能です。

その反面で、システム構成が複雑になってしまい、運用・管理が難しくなってしまうというデメリットも発生します。

ハイブリッドクラウドとは?メリットを構成例付きで分かりやすく解説します

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クラウドのビジネス活用

クラウドのビジネス利用

ここまでクラウドについてご紹介してきましたが、普段からこういったIT関連の仕事に就かれていない方であれば、具体的にどのような仕事に役立つのか、まだイメージが難しいでしょう。

そこで実際にクラウドがどのようなビジネスシーンで活用されているのかをご紹介します。

クラウドストレージ

1つ目のビジネス活用の例としては、クラウドストレージが挙げられます。

クラウドサービスの中でも最も使用比率の高いこのクラウドストレージは、社内のデータなどを格納することができるクラウドサービスでPCのメモリが圧迫されること無く大量のデータを取り扱えるようになります。

加えて、設定次第ではありますが保存しているデータを社内で共有、もしくは取引先など社外の一部アクセス許可を出しているユーザーとも共有する事ができる為、データ容量だけではなく業務の効率化にも貢献しています。

  • Googleドライブ、Googleフォト
  • Dropbox
  • クラウドバックアップ/Acronis
クラウドバックアップ/Acronis

クラウドバックアップ/Acronisはカゴヤが提供しているクラウドストレージに該当します。「ファイル同期・共有」を利用することで、社外のスマートフォンなどのモバイル端末と、社内のPCやMacとの間で、VPNなしに安全で円滑なファイル共有が可能です。

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オンプレミス製品のクラウド化

2つ目のビジネス活用の例は、オンプレミス環境専用の商品をクラウド上で稼働させる方法です。

これを行うことで、これまでは社内のローカル環境でしか利用できなかったソフトが、クラウドに移動させる事で営業先だったり出張先、リモートワークなどローカルネットワーク外からでもアクセス・ソフトの使用が可能となります。

実例としては、カゴヤで提供していdesknet’s NEO専用プランForguncyプランがオンプレミス製品のクラウド化に該当します。
desknet’s NEO専用プランは、グループウェアとして実績がある desknet’s NEO のオンプレミスサーバー向けパッケージ版ライセンスをクラウドサーバーで利用できます。
Forguncyプランでは、ノーコードツール Forguncy で作成したアプリケーションをクラウド環境で運用できるようになり、サーバー運用の手間からも解放されます。

他にも、カゴヤ・ジャパンではパッケージソフトウェアのベンダーとアライアンスを組み、オンプレミス製品のクラウドサービス化のサポートなも実施しています。

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開発をクラウドで

3つ目のビジネス活用の例は、クラウド上で開発を進められる環境を構築する方法です。

従来まではシステムやアプリの開発はローカル環境で行ってましたが、クラウドの登場によりローカル環境以外からでも開発を進めることが可能となりました。

これにより、クライアントの事務所などでヒアリングをしながらその場で調整を行ったり、開発部門の人間も在宅・リモートワークで業務を行うことが出来る様になります。

まとめ

クラウドは導入する事で様々なメリット、恩恵を受ける事ができるサービスです。

このクラウドサービスが限定的な場面にのみ効果を発揮できるものではなく、様々なシーンや業務でも活用できるため、多くのユーザーや企業でも取り入れられています。

実際、意識していないだけで日常生活の中でもクラウドサービスを利用する機会は多いですし、特に企業ではこれからもどんどん導入していくことが予想されます。

カゴヤでも業務の効率UPや環境改善を目的としたクラウドサービスのお問い合わせも増えてきておりますので、未導入の企業様は検討に値すると思われます。

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