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【IT資産管理とは?】柔軟な働き方の体制を安全に整えるために

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昨今ではIT専門の企業でなくても、PCをはじめとした様々なIT資産を駆使して業務を行っています。しかしIT資産を活用する際には、様々なリスクがつきまとうことも否めません。実際IT資産が正しく利用・管理できていないことが原因で、情報漏えいをはじめ多くのセキュリティ事故が発生しています。

IT資産管理について

セキュリティ事故のリスクを軽減し、IT資産を安全に扱うためにも「IT資産管理」は非常に重要です。この記事では、IT資産管理の概要や適切に行わない場合のリスク、目的について解説します。

IT資産管理とは

IT資産管理とは、ITに関わる企業内の資産全般を適切な状態で維持・管理することです。どのようなIT資産が、どこに、どれだけあるかをまとめて一覧化するのもIT資産管理の一部ですが、それだけが役割ではありません。各IT資産の状態や利用状況などをチェックし、適正な利用を促すこともIT資産管理に求められる役割です。

IT資産管理が行き届かず、様々なリスクを抱える企業は少なくない

IT資産は企業が業務を継続する上で必要である一方、利用にあたって様々なリスクもあります。IT資産管理の目的はこれらリスクを可視化し軽減することにありますが、実際には十分でない企業は少なくありません。その結果、これらリスクが見過ごされ事故や損害の発生につながるのです。

IT資産管理が十分でないことで生じるリスクの例

IT資産管理が十分でないことで、どのようなリスクが考えられるでしょうか。以下、1つずつみていきましょう。

セキュリティリスクが見過ごされる

IT資産が正しく管理されていないと、以下にあげるようなセキュリティリスクが見過ごされてしまいます。

  • OSやソフトウェアが脆弱性を抱えたまま、アップデートされない
  • USBメモリなどによって許可なく、社内データが外部に持ち出されてしまう
  • ファイル共有ソフトなど、業務上不適切なソフトウェアが利用される

IT資産管理をきちんと行うことによって、これらセキュリティリスクを可視化し軽減することが可能です。

ライセンス違反などで膨大な金額の損害賠償を請求される

ソフトウェアのライセンス管理は煩雑であり、Excelを使った管理には限界があります。ユーザーが正確に申告してくれるとは限りませんし、入力漏れが発生する可能性も否定できません。結果、実際のライセンス数が守られず、ライセンス数以上のPCで使われているといった例も多いです。

仮に中小企業でPCの数がそれほど多くなかったとしても、ライセンス違反が発覚すれば莫大な損害賠償を請求されることもあります。正確に管理できていなかっただけで、企業側に悪意がない場合も例外ではありません。こういったトラブルに見舞われないためにも、IT資産管理によってライセンス数をしっかりチェックする必要があります。

余剰コストの原因が放置される

せっかく高価なソフトウェアを購入しても十分に利用されずライセンスが無駄になるなど、余剰なコストが発生する例も多いです。これら余剰コストを見つけるためには、適切にIT資産管理を行う必要があります。

逆にIT資産管理が十分でなければ、これら余剰コストの原因が放置されたままになってしまうのです。これによって浪費されるコストは少なくありません。

IT資産管理の目的

IT資産管理がきちんと行われない場合のリスクをみてきました。それではIT資産管理は、どのような目的で行われるのでしょうか。以下、1つずつみていきましょう。

情報漏えいを未然に防ぐ

社内の機器には顧客情報や機密情報などが詰まっており、仮に漏洩した場合は社会的な信用の失墜につながる可能性も否定できません。IT資産管理ツールを使うことでUSBメモリやファイル共有ソフトなどの利用を制限し、情報漏洩を未然に予防できます。

またIT資産管理ツールのなかには、BitLockerと呼ばれるストレージ暗号化機能を管理できる種類もあり、注目したいところです。BitLockerを使えば万が一外出先でPCを紛失しても、そのPCからデータを取り出すのが難しくなるのです。これによって情報漏えいのリスクを軽減できます。

隠れたセキュリティリスクの発見と対策

社員個人の裁量でPCを管理させると、未許可のソフトウェアがインストールされたり、セキュリティパッチが適用されなかったりします。その結果、ウイルスに感染しやすくなるなどのセキュリティリスクが高まるのです。

IT資産管理ツールには、使用を禁止したソフトウェアの起動を制限したり、セキュリティパッチを自動適用したりする機能があります。これによって、隠れたセキュリティリスクを未然に検知し対策できます。

コンプライアンスの遵守

企業のコンプライアンスに対する取り組みに不備があれば、信頼の失墜につながる上に罰金・損害賠償が課されることもあります。IT資産の利用において、企業は以下の取り組みを行い、コンプライアンスを遵守することが必要です。

  • 情報の漏えいを防止する
  • ソフトウェアライセンスのルールを守る

正しくIT資産が管理されない場合、情報漏えいのリスクが放置されてしまいます。また意図的でなくても、誤ってライセンス数以上にソフトウェアが利用されてしまうことも少なくありません。IT資産管理を適切に行うことによってこれらリスクを予防し、コンプライアンスを遵守することができます

IT資産に関わるコストの適切な管理(余剰コストの発見とカット)

IT資産管理ツールでは、PCやソフトウェアなどの利用状況をチェックする機能をもつ種類もあります。これによって使用頻度が低いPCやソフトウェアなどがあれば解約したり再割り当てしたりでき、コストを節約することが可能です。このようにIT資産管理ツールは、隠れた余剰コストの発見とカットに役立ちます。

IT資産管理の具体的な管理対象

IT資産管理では、実際にどのようなものが管理対象になるのでしょうか。以下、分類ごとに紹介します。

パソコンなどのハードウェア

ネットワーク接続可能なハードウェア全般がIT資産の管理対象です。具体的には、以下があげられます。
パソコン・タブレット・スマートフォン・外部記録装置(USBメモリなど)・デジタルカメラ(ビデオ)・その他IoT機器

ソフトウェアの種類・バージョン・状況

OSをはじめ、パソコンにインストールされたソフトウェアや、IoT機器のファームウェアなども管理対象です。社内に存在するソフトウェアの種類をはじめ、それらのバージョンが常に最新かや、利用状況もIT資産管理でチェックします。

ソフトウェアのライセンス

ライセンスルールに従って、適切にソフトウェアが利用されているかもIT資産管理の対象です。コンプライアンス上、購入したライセンス数以上の利用は許されません。またライセンスが切れたソフトウェアの利用は、セキュリティ的にも問題があります。

IT資産管理を適切にはじめるための手順

IT資産管理を適切に行うためにはどうすればよいか、迷う方も多いのではないでしょうか。ここではIT資産管理をはじめるときに、最低限必要となる手順を紹介します。あとは、自社の環境や事業内容と照らし合わせて、どのような部分に注力すべきか検討しながらIT資産管理を進めてください。

まず現状の課題を見直す

まずはIT資産管理に関する自社の課題・問題点を整理します。その上で、それら課題・問題の解決に役立つツールを選定しましょう。このとき自社において管理するIT資産の内容・範囲も明確にしておくことが必要です。

持続的に運用可能な社内ルールを設定する

せっかくツールを導入しても、ネットワークに接続していない機器の管理はできません。そのため倉庫に眠っているような、1度もネットワーク接続してないパソコンは別の方法で管理する必要があります。こういった点も含め適切に資産管理をすすめられるように、持続的に運用可能な社内ルールを設定しておくことが必要です。

社内でセキュリティ意識を共有する

社内ポリシーを設定しても、個々の社員がしっかりしたセキュリティ意識をもっていなければ、適切にIT資産管理をすすめることはできません。またルールを厳しくし過ぎると、業務に支障をきたす可能性もあります。基本的なことではありますが、社内研修・マニュアル配布など、社員間でセキュリティ意識を共有するための施策が必要です。

自社の目的と環境にあったツール・サービスを選ぶ

IT資産管理ツール・サービスには以下の種類があります。

・運用管理ツール

PC・サーバー・ネットワークなど、システムに関わる情報を集中的に管理するツールです。

・インベントリツール

インベントリ(LANに接続する機器の情報を一覧化したもの)を自動収集し、IT資産管理を行うツールです。

・台帳ツール

IT資産の「あるべき状態」を記録した台帳と、実際に収集した情報を照らし合わせ、差分を発見することで問題点を可視化するツールです。

この中から自社の目的・環境にあったIT資産管理ツール・サービスを選びます。ツールやサービスによって、機能や操作の難易度が異なるので注意して下さい。

カゴヤのサーバー研究室では、以下の記事で資産管理ツールの例や選定する際のポイントについて詳しく解説しています。よろしければあわせてご覧ください。

5分でわかる!クラウド型IT資産管理ツール導入のコツ

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IT資産管理とは企業におけるIT資産の保有状況・利用状況を可視化し、それらが適正に利用されるよう管理する手法です。パソコンやスマートフォンのようなハードウェアをはじめ、ソフトウェアやそのライセンスもIT資産管理の対象となります。 ニューノーマルを見据え、企業のICT活用やDXの推進が加速する中、IT資産管理業務の重要性も増している状況です。しかしIT資産管理業務は企業の規模に関わらず複雑化しており…

まとめ

IT資産管理とは、ITに関わるあらゆる資産について適切な状態で維持・管理をすることです。IT資産管理をすることによって、IT資産によるセキュリティリスクを軽減したり、IT資産に関わる余剰なコストを発見したりできます。IT資産管理をはじめるためには、まず現状の課題を整理した上で、自社の目的と環境にあった専用ツール・サービスの選定が必要です。

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