お問い合わせはこちら

【図解】DevOpsとは?アジャイルとの違い

公開
更新 2021/09/02

運用担当者と開発担当者が対立して、システム開発や運用がスムーズにすすまない経験は、どの企業にもあるのではないでしょうか。DevOpsは、この対立を解消することを目指し生まれた仕組み・方法論です。実際、DevOpsを採用して両者の連携を構築し、開発スピードを早めた企業も少なくありません。

またDevOpsは、最近話題によく上がるアジャイル開発と類似点が多く、その違いが問われることも多いです。この記事では、DevOpsとは何かやアジャイル開発との違いや関係性について簡単に紹介しています。

DevOpsとは?

DevOps(デブオプス)は開発を意味する「Development」と、運用を意味する「Operation」を組み合わせたDevelopment and Operationsの略語です。DevOpsとは開発担当者と運用担当者がスムーズに協調して開発や運用をすすめ、システムの価値を継続的に向上させる方法論や概念を指します

従来、開発担当者と運用担当者はそれぞれの立場の違いから、対立してしまうことがしばしばありました。新しい機能を開発しシステムに追加したい開発担当者に対し、運用担当者はシステムの安定稼働を目指し機能追加等の変更を嫌うためです。

しかし開発担当者と運用担当者が対立したままでは、システムの価値を高めることはできません。DevOpsは両者の対立を解消し、理想的な連携関係を作り出すために考案されたのです。

それではDevOpsでは実際にどのようにして、開発担当者と運用担当者を連携させるのでしょうか。

DevOpsの基本知識

DevOpsではまず開発担当者と運用担当者が協力し合える関係を作り上げるため、以下のような考え方の徹底を求めます。

  • Respect:互いに尊敬しあい、能力や功績を称えあう
  • Trust:互いに信頼し合い、役割に応じて仕事を任せる
  • Healthy attitude about failure:失敗は起こりえるものなので相手を責めない
  • Avoiding Blame:相手の落ち度を非難するのでなく、同じ失敗が起こらないように建設的な議論をすすめる

その上で開発担当者と運用担当者は各種ツールを駆使して、相互コミュニケーションを促進し開発・運用の各プロセスを統合・自動化します。これによりシステムの計画や開発、更新を短期間で継続的かつ迅速に繰り返すのがDevOpsの目的です。

DevOpsの導入メリット

DevOpsには様々なメリットがありますが、中でもよく言われるのは「信頼性」「生産性」「開発スピード」の向上です。以下、それぞれのメリットについて簡単に紹介します。

信頼性の向上

テスト・ビルド・リリース等の手動で行われていた各工程について、DevOpsではツールの活用によって自動化します。これによりヒューマンエラーの発生を防ぎ、システムの信頼性向上をはかることが可能です。新しいリリースの信頼性も高まるため、運用担当者がリリースを受け入れやすくなるというメリットもあります。

生産性の向上

開発担当者と運用担当者が対立し連携できていない状態では、数多くの問題が発生してしまいます。リリースまでの手続きが煩雑になったり、情報共有が十分でなく運用・開発のプロセスがスムーズにすすめられなかったりするのです。

DevOpsでは利便性の高い様々なツールを活用して開発担当者と運用担当者の連携を強化し、これら問題を解決します。たとえばDevOpsでは、開発担当者・運用担当者が考えなしにExcelを使ってなんでもかんでも情報の共有をはかる状態を良しとしません。

ツールにより情報共有をすすめることにより、各段にその品質やスピードを改善し生産性を向上させるのです。またリリースまでのプロセスが迅速化することで、ユーザーのフィードバック等を反映させやすくなり生産性向上につながります。

開発スピードの向上

DevOpsを採用することにより、複雑で問題が起こることが多かったそれまでの開発担当者と運用担当者の連携が驚くほど改善します。シンプル化・自動化をすすめることで、連携のために運用担当者・開発担当者が抱えていた煩雑な作業が不要となります。

結果、開発までのプロセスをスピーディーに進められるようになるわけです。刻々と変化するユーザーのニーズにも、対応できるようになります。

DevOpsとアジャイル開発の違い

DevOpsはよく「アジャイル開発」と混同されます。両者とも、継続的かつ迅速に開発のプロセスを繰り返す等の共通点が多いためです。

しかし両者の特徴を比べると、コンセプトは全く異なることが分かります。以下、実際にどのような違いがあるかみていきましょう。

アジャイル開発とは何か

従来、ソフトウェアやシステムの開発では、すべての機能に関する要件定義を全て完了させてから開発・テストのプロセスに移行していました。この開発手法では基本的に後戻りできず、テストのプロセスで仕様変更が必要になった場合、プロセスを繰り返す工数が膨大化してしまいます。このように、より上位の工程から下位の工程へ「水が下に落ちるように」進める開発手法を「ウォーターフォール開発」と言います。

アジャイル開発は、ウォーターフォール開発の問題を解消するために生まれた開発手法です。アジャイル開発では、機能単位の小さなサイクルによって、計画から開発・テスト・運用までのプロセスを迅速に繰り返します。

アジャイル開発はウォーターフォール開発に比べ、ソフトウェア・システムをリリースするまでのスピードが向上するのがメリットです。テスト時点で仕様変更の必要性が生じた場合でも、簡単に後戻りでき対応することができます。

アジャイル開発のより詳細な内容や具体的にどのような手法を使うかは、以下記事で解説しておりますのでよろしければあわせてご覧ください。

【図解】アジャイル開発とは?具体的な進め方も解説

【図解】アジャイル開発とは?具体的な進め方も解説

昨今ではビジネスの現場でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するため、「アジャイル開発が必要」という話をよく聞くようになりました。アジャイル開発とは、これまでよく使われていたウォーターフォール開発に代わり、主流となりつつある開発手法です。この記事ではアジャイル開発とは何か、具体的な進め方やメリット・デメリットについて解説します。 アジャイル開発とは? アジャイル開発(agile soft…

アジャイル開発との相違点

みてきたようにアジャイル開発とは、ソフトウェアやシステムを開発する手法の1つです。一方でDevOpsは、対立することが多かった開発担当者と運用担当者の連携を強化するための考え方や仕組みです。両者は類似する点が多くても、そもそものコンセプトが全く異なるのです。

ただしDevOpsとアジャイル開発は親和性が高く、DevOpsにて開発をすすめる際の手法としてアジャイル開発が採用されることも少なくありません。DevOpsにより開発担当者と運用担当者の連携を実現しつつ、アジャイル開発により開発のプロセスをスピードアップさせるわけです。

DevOpsの観点からのCI/CD

DevOpsによって開発担当者と運用担当者のスムーズな連携をはかるためには、ツールの活用が重要なカギとなります。ツールを使うことによって、DevOpsが導入しやすくなる上に、より効果的に実現することも可能です。

DevOpsを実現する際は、コミュニケーションツールや開発環境の構築ツール等、様々な種類のツールが利用されます。なかでもDevOpsの中でも特に重要な要素となるCI/CDは、ツールによって実行されることがほとんどです。

CI/CDとは何か

CI/CDとは「Continuous Integration/Continuous Delivery」の略語で、日本語では継続的インテグレーション/継続デリバリーと訳します。

継続的インテグレーションとはソフトウェア等の開発において、ビルドやテストといった作業を自動化し継続的に実行する仕組みです。一方、継続的インテグレーションを拡張したのが継続デリバリーです。本番環境への配備(デプロイ)手前までの自動化にとどまる継続的インテグレーションに対し、継続デリバリーではデプロイまで自動化します。

まとめるとビルド・テスト・デプロイと言った開発に関わる各種作業を自動化し、継続的に行う仕組みを「CI/CD」と呼びます。CI/CDを採用すれば、開発担当者がソースを修正した際も、本番環境へリリースするまでの一連の作業が自動化されるわけです。CI/CDを導入することにより担当者が数ヵ月かけて行った作業が、数時間で完了できることも少なくありません。

DevOpsのツールとコンテナ技術

DevOpsでCI/CDを実現する際によく利用されるツールとして、「Jenkins(ジェンキンス)」があげられます。CI/CDの代名詞ともいえるツールで、Jenkinsを使うことによって基本的な環境が整います。

またDevOpsやCI/CDと相性が良いのが、コンテナ技術です。コンテナ技術とは、サーバー仮想化の技術の1つです。

従来の仮想化では、仮想化ソフトウェア上にWindows等のゲストOSを稼働させることで実現していました。一方、コンテナ技術では、ホストとなるコンピューターのOS上に、仮想的な「コンテナ」を構築しユーザーが利用できるようにします。コンテナでは、ゲストOSを必要としません。結果、従来の仮想化より起動が早く処理も軽くなるのです。

※以下記事では、コンテナ技術についてより詳しく解説しています。

【再入門】コンテナ技術とは?基本をわかりやすく解説します

【再入門】コンテナ技術とは?基本をわかりやすく解説します

日常生活でコンテナは知っていても、IT業界のそれとどう関連するのかわからない方に向けに、この記事であらためて解説しています。もともとコンテナが使われてきたのは貿易業界で、そこでの意味もご紹介しています。これで、なぜコンテナが「技術」として大切かご理解いただけると考えています。キーワードは「整理整頓」と「効率化」です。 貿易業界の「コンテナ」とは? まずは貿易業界で使われている「コンテナ」についてご…

CI/CDでは継続的にビルド・テスト・デリバリーを頻繁に繰り返すことから、起動や処理の早いコンテナ技術が役立ちます。実際CI/CDを実現する際に、コンテナ技術を採用するケースは多いです。そうしてコンテナ技術を実現するためDevOpsでよく使われるツールとして以下が挙げられます。

コンテナエンジン
Docker(ドッカー)」

Docker社が開発したコンテナ管理用のプラットフォームで、起動や処理が速いのが特徴です。

オーケストレーションツール
Kubernetes(クバネティス/クバネテス/クーべネティス)」

複数のコンテナ(Dockerコンテナ等)を管理・自動化するためのツールです。複数コンテナの管理や自動化する仕組みのことを「オーケストレーション」と呼びます。

まとめ

DevOpsは開発担当者・運用担当者の連携を円滑にすることで開発スピードを早め、システム価値の継続的な向上を目指す仕組みです。DevOpsでは相互コミュニケーションを強化したり、CI/CDを実現したりするのに適した様々なツールを駆使します。

開発手法の1つであるアジャイル開発とDevOpsはよく比較されますが、全く異なる概念です。ただし親和性は高く、DevOpsを実現するための開発手法として、アジャイル開発が採用されることも少なくありません。

また、DevOpsにおいてCI/CDを効率的に進めるためよく採用されるのが、仮想サーバーの起動が速いコンテナ技術です。ビルド・テスト・デリバリーといった処理を頻繁に繰り返すことになるCI/CDでは、コンテナ技術のメリットが活かせるのです。

カゴヤではKubernetes + Rancherが構築済で、すぐにDocker環境が使える「コンテナサービス」を提供しています。利用用途にあわせ拡張も容易で、スモールスタートを希望されているお客様にも最適です。