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クラウドによるDRのメリットや注意点を解説

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大地震や台風などの自然災害で、システムが停止し多大な損失を被った企業は少なくありません。今後30年以内には南海トラフ地震が発生すると言われており、災害時にシステムをいち早く復旧させるDRは企業にとって急務です。

しかしDRには高い技術力とコストが必要となるため、簡単に実現できないのが正直なところでしょう。そうしたなかで、クラウドを利用したDRが注目を集めています。この記事ではクラウドでDRを実現するメリットや注意点、有効な最新技術「Acronis」について解説しています。

クラウドのDRについて

DR(ディザスタリカバリ)とは何か

DRはディザスタリカバリ(Disaster Recovery)の略語で、日本語では「災害復旧」と訳されます。DRとは地震や風水害といった自然災害をはじめ、火災やテロ、サイバー攻撃などでシステムに異常が生じた際に復旧させることです。システム復旧を目指すための準備や設備をDRと呼ぶこともあります。

DRの目的

企業がビジネスを長期的に継続していく上で、自然災害やサイバー攻撃などの脅威は避けることはできません。一方で自然災害などによりシステムが停止すれば、業務も止まってしまうことになります。業務停止が長く続けば、その間に失われるビジネス上の機会損失も計り知れないでしょう。

そこで「それらシステム障害は発生しえるもの」と想定した上で、迅速に復旧させ速やかに業務を再開させるDRが必要となるのです。DRを行う最大の目的は、システム障害による機会損失を最小限に抑えることにあります。

DRの主な手法

DRの主な手法としてあげられるのがバックアップです。企業にとって重要なデータをバックアップしておくことはもちろん、システムをまるごとバックアップする方法もあります。システム全体のバックアップであれば、対象のサーバーへ復元すれば元通り業務を再開可能です。

スタンバイ用のサーバーへシステム全体をバックアップしてく方法もあります。こうすることで本番サーバーに障害が発生した際、スタンバイ用のサーバーへ切り替えてすぐに業務を再開することもできるわけです。

バックアップの方法として、以下があげられます。

  • メディアにデータの複製を保存し、耐火金庫に保管する
  • データセンター内のストレージへバックアップを保存する
  • クラウド上のストレージにバックアップを保存する

DR(ディザスタリカバリ)にクラウドを使うメリット

DRを実現するにあたり、クラウドを採用する企業が増えています。クラウドであれば、オンプレミスやデータセンターだけでDRを行うより有利な点が多いからです。ここではDRにクラウドを採用するメリットに関して、簡単に紹介します。

オンデマンドでリソースの追加が可能となる

オンプレミスでサーバーを運用している場合、リソースの追加が必要であればハードウェアを新たに購入しなくてはなりません。その分、準備できるまで時間もコストもかかるわけです。

その点クラウドであれば、必要に応じてオンデマンドでリソースを追加できます。リソース追加までのスピードアップにつながるのはもちろんのこと、新たにハードウェアを購入するのに比べコスト削減も可能です。

復旧までの時間を短縮化できる

オンプレミス環境ではDRで利用する機器が破損した際に、別途機器を購入したりシステムを再構築したりするのに時間がかかります。一方クラウドの環境であれば、前述の通り、オンデマンドで必要なリソースをすぐに確保可能です。

DR向けにIT資産を適宜分散して配置しておくことも難しくありません。IT資産が分散配置されていれば、特定の地域で災害が発生しても、早々にシステム復旧を進められます。

またクラウドであれば、システムのレプリケーション(複製)を比較的簡単に管理可能です。レプリケーションを使い、システムを速やかに再開させられます。

このようにクラウドであれば、システムの復旧にかかる時間を短縮化できるのです。

可用性が向上する

オンプレミスでサーバーなどを冗長化する場合は、多大なコストが必要となります。その分、余計にハードウェアなどの機器を購入しなくてはならないからです。一方、クラウドならハードウェアを購入する必要はなく、比較的少ないコストで冗長化を実現できます。

またクラウドであれば、「自動フェイルオーバー」を採用する業者も多いです。自動フェイルオーバーにより、物理サーバーに故障が生じても自動的に別の物理サーバー上でシステムが再開されます。

人的リソースやコストをおさえられる

オンプレミス環境でDRを実現する場合、ネットワークやハードウェアなどの購入や管理・運用を全て自社で行わなくてはなりません。その分、多くのコストや人的リソースが必要です。

一方、クラウドであれば、ハードウェアもネットワークもクラウド事業者が管理します。ユーザーが別途購入したり管理・運用したりする必要はありません。その分、人的リソースもコストも節約できるわけです。

DR(ディザスタリカバリ)にクラウドを使う際の注意点

クラウドでDR対策を行う場合は注意点もあります。あらかじめ、これら注意点を把握した上で、クラウドの利用を検討しましょう。

セキュリティの保持や障害からの復旧はクラウド事業者に依存する

クラウドを利用する場合、どのくらいのレベルでセキュリティを強化するかは、クラウド業者に依存します。ユーザー側でコントロールできません。

そのため対象のクラウドがどのようなセキュリティ対策を行っているか、利用時にチェックする必要があります。ただ昨今では、非常に高いレベルのセキュリティ対策が施されているクラウドが多いのも事実です。

また仮にクラウド側で障害が発生した際に、その復旧についても全て事業者依存となります。ユーザー側で手を出せないので、復旧まで待たなくはなりません。そのため信頼できる業者のサービスを利用する必要があります。

カスタマイズ性が落ちる

クラウドは、事業者があらかじめ用意した機能やプラン内で利用することになります。オンプレミスでシステムを用意するように、自由にカスタマイズすることができません。

たとえばクラウドでは、ハードウェアや機種を細かく選んだり、ネットワークをチューニングしたりするのは不可能です。クラウド事業者が提供する範囲で、システムを構築・運用する必要があります。

DR(ディザスタリカバリ)にクラウドを利用する2つのパターン

クラウドを利用しDR対策をする場合、自社で運用するパターンと既存のクラウドサービス(SaaS)を使うパターンがあります。それぞれメリット・デメリットがあるため、一概にどちらが良いとは言えません。ここでは、これらパターンの特徴を解説します。

自社で運用するパターン

仮想サーバーやネットワーク環境などを提供する「IaaS」という種類のクラウドを契約し、自社でDRのシステムを構築・運用するパターンです。自社で運用することからデータが外部に漏れることはありません。自由にシステムを構築できる点もメリットです。

一方でシステム構築から自社で行うことになるため、専門知識を備えた技術者がいることが実現の条件となります。システムの運用・管理をするためのまとまった人的リソースも必要です。(ハードウェアやネットワークの管理は事業者が行います。)

既成のクラウドサービス(SaaS)を使うパターン

既成のクラウドサービス(SaaS)を使って、DR対策を行うパターンもあります。システムの構築や運用は事業者に任せられるため、利用にあたり専門的な知識や技術者は必要ありません。システムを運用するための人的リソースも不要です。

一方でシステム自体は構築済であることから、自社で運用するパターンと比べカスタマイズ性に劣る点は否めません。対象のシステムが自社の要望に合うか精査が必要です。事業者が用意したストレージへ重要データが保管されるため、自社のセキュリティポリシーに合致するかの検討も求められます。

カゴヤのFLEXでも使えるDR対策サービス:Acronis

Acronisは物理サーバー・仮想サーバーを問わず、OSを含むシステム全体をバックアップできるクラウドサービス(SaaS)です。取得したバックアップを使い、プラットフォームを問わず任意のマシンへ瞬時に復元することもできます。

バックアップや復元の操作は簡単で、専門的な知識は必要ありません。バックアップ先としてローカルの他、アクロニクスクラウドも選べます。

カゴヤのクラウドサービス「FLEX」を利用し構築したサーバーのデータに関しても、Acronisでバックアップ可能です。ローカルサーバーのバックアップを使い、FLEXで構築した仮想サーバーへ復元する方法もあります。

企業によってはハードルの高いDRも、Acronisなら簡単に実現できるでしょう。初期費用なし、2,200円/月~(税込)と料金も手ごろです。

Acronisの詳細については、以下URLで確認ください。
https://www.kagoya.jp/cloud/backup/acronis/example.html

まとめ

クラウドでDRを実現することで、人的リソースやコストをおさえられる上に、可用性を向上させることもできます。またオンデマンドでリソースの追加が可能となり、準備にかかる時間やコストの削減も可能です。システム復旧までの時間も、クラウドを使った方が短縮化しやすくなります。

一方、クラウドを使うことによって、セキュリティや障害からの復旧はクラウド事業者に依存することになる点は注意しなくてはなりません。オンプレミスと比べカスタマイズ性が落ちることから、自社のシステムで利用可能か慎重に検討する必要もあります。

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