VMware vSphereは、サーバー仮想化ソフトの中ではデファクトスタンダードと言えるほどのシェアを誇る製品です。そうしてVMware vSphereの管理をする際に必要となるのが、VMware vSphere Clientです。この記事では、VMware vSphere Clientとは何かについて解説しています。
![vSphere Clientの解説](https://www.kagoya.jp/howto/wp-content/uploads/202103b_main.jpg)
VMware vSphere Clientとは?
VMware vSphere Clientとは何かを理解するためには、VMware vSphereとは何かやVMware vSphereを用いた仮想基盤の構成を知る必要があります。
VMware vSphereとはVMWare社が開発した仮想化ソフトェアのパッケージ製品です。VMware vSphereを利用しサーバーの仮想化を実現する場合、まず物理サーバーに本パッケージに含まれるハイパーバイザー「ESXi」をインストールします。
次にESXi上に、ゲストOSやアプリケーションをインストールし動作させます。そうして、これらの管理を担うのがVMware vSphereに含まれる統合管理プラットフォーム「VMware vCenter Server」です。
VMware vCenter Serverを使うと、複数の仮想マシンをグループで管理し、電源のオン・オフやリソース配分等を一括で設定できます。その上で、VMware vSphere Clientとは、管理者がVMware vCenter Serverにアクセスし操作する際に使うGUIベースのインターフェイスです。
![VMware vSphere Clientの図解](https://www.kagoya.jp/howto/wp-content/uploads/202103b_2.jpg)
クライアントインターフェイスの種類とソフトウェア要件
VMware vSphere を管理するクライアントインターフェイスには、以下の通りvSphereのバージョンにより複数の種類が存在します。
【vSphere Web Client】
ネットワーク経由でアクセスできるブラウザ型のインターフェイスです。vSphere Web Clientはサーバーにインストールせず利用することができます。ただし、サポートが終了したAdobe Flashを利用していることから、vSphere6.7から非推奨となり、「vSphere Client」を使用することが推奨されています。2020年4月2日にリリースされたvSphere 7.0 からvSphere Web Clientは廃止され、後述する「vSphere Client」に一本化されました。
vSphere Web Clientのソフトウェア要件(vSphere6.7まで)
サポート対象ブラウザ | Mas OS | Windows |
---|---|---|
Google Chrome | 34以降 | 34以降 |
Mozilla Firefox | 39以降 | 39以降 |
【VMware Host Client】
単一のESXホストのみ管理可能なインターフェイスです。vCenter Serverで管理されていないESXiにアクセスする際や、vCenter Serverが一時的に使えなくなったとき等に使われます。
VMware Host Clientのシステム要件
サポート対象ブラウザ | Mas OS | Windows | Linux |
---|---|---|---|
Google Chrome | 50以降 | 50以降 | 50以降 |
Mozilla Firefox | 45以降 | 45以降 | 45以降 |
Safari | 9.0以降 | – | – |
Microsoft Edge | – | 38以降 | – |
【vSphere Client】
HTML5ベースのブラウザ型インターフェイスです。(以前は「C#」ベースのWindowsマシンにインストールして使用するタイプもありましたがvSphere6.5から廃止されました。)HTML5をベースとしていることから、レスポンスが早くなっています。vSphere6.7から非推奨となったvSphere Web Clientに代わって、現在はvSphere Clientが主流となっています。
vSphere Client のソフトウェア要件
サポート対象ブラウザ | Mas OS | Windows |
---|---|---|
Google Chrome | 75以降 | 75以降 |
Mozilla Firefox | 60以降 | 60以降 |
Microsoft Edge | 44以降 | 44以降 |
導入時の注意点
ESXiホストのバージョンにより、対応するvSphere Clientのバージョンも異なる点は注意が必要です。仮に複数のバージョンのESXiを利用している場合は、各バージョンに対応するvSphere Clientを使用する必要があります。
vSphere Client でvCenter Server へログイン
以下、vSphere Client を使用した、vCenter Server へのログイン方法を簡単に紹介します。VMware vSphere Clientを利用する際の参考にしてください。
【1】ブラウザを開き、vCenter ServerインスタンスのIPアドレスを入力します。
【2】「VSPHERECLIENT(HTML5)の起動」をクリックします。
![](https://www.kagoya.jp/howto/wp-content/uploads/202103b_4.jpg)
【3】vCenter Serverのユーザ名・パスワードを入力し「ログイン」をクリックしてください。
![vSphere Clientのログイン画面](https://www.kagoya.jp/howto/wp-content/uploads/202103b_5.jpg)
証明書に関するセキュリティ警告が表示された場合は「無視」をクリックして続行します。
vCenter Server へログインが完了すると、vSphere インベントリを管理できます。
![](https://www.kagoya.jp/howto/wp-content/uploads/202103b_main.jpg)
まとめ
VMware vSphere Clientは、VMware vSphereにより構成された仮想環境を操作するためのGUIインターフェイスです。VMware vSphere Clientは、ブラウザから操作できます。VMware vSphere用クライアントインターフェイスにはいくつかの種類がありますが、今後は、VMware vSphere Clientが主流になります。
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