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オンプレミス回帰からハイブリッドクラウドをおすすめする理由

公開
更新 2021/09/21

クラウドとオンプレミスのどちらか一方を選択すべきものではなく、それぞれの短所を抑え、長所を最大限に活かすやり方に推移しています。それが「ハイブリッド」クラウドという融合型です。経緯とその結果生まれた新しい考え方について、この記事ではまとめています。

【事例】オンプレミス回帰(脱クラウド)の動き

大変な思いをしてオンプレミスからクラウド(この場合パブリッククラウド)に移行したので、当初の目的は達成できたはずです。ところがクラウドに想定外の事情があることがわかり、再び従来のやり方に一部または全部を戻す企業が出始めました。この章では企業の典型的な事例とともに、傾向を示す調査結果をご紹介します。

DropboxはAWSの利用を停止(2015年)

Dropboxは老舗で大手のオンラインストレージサービスです。実はDropboxはそのサービス提供に、クラウド(パブリッククラウド)のAWS(Amazon Web Services)を利用してきました。

2010年代前半に企業では業務の進め方が大きく変わり、Dropbox社が提供するオンラインストレージサービスが急拡大しました。その結果、コストやさまざまな性能の改善点が明らかになります。そこでDropbox社はAWSの利用を止め、再び自社に情報システムを大規模に移行する意思決定をしたのです。厳密には「パブリッククラウド」から「プライベートクラウド」への移行で、用語には「クラウド」の用語は残っています。

【ご参考】パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い

  1. パブリッククラウド
    いわゆる「クラウド」と同様に、比較的「開かれた」仕組みです。
  2. プライベートクラウド
    「クラウド」とはいえ「開かれていない」仕組みで、「オンプレミス型(所有型)」と「ホステッド型(利用型)」の2種類あります。後者は、クラウド事業者が提供するサービスを利用します。

カゴヤのサーバー研究室では、以下の記事で両者の違いを詳しく解説しています。

プライベートクラウドとは?ハイブリッド/パブリッククラウド/オンプレミスとの違い、それぞれの意味を分かりやすく解説します

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プライベートクラウドとは、自社専用で構築・運用されるクラウド環境です。ここではハイブリットクラウドやパブリッククラウド、さらにはオンプレミスなど他のサーバー環境と比較しつつ、プライベートクラウドについて分かりやすく解説します。 プライベートクラウドとは 繰り返すようにプライベートクラウドとは自社専用のクラウド環境です。自社の運用にあわせて環境の構築やカスタマイズができるのが主な特長です。プライベー…

オンプレミス回帰の傾向は本当か?

一度はクラウド(パブリッククラウド)に移行した企業のうち、7~8割程度が一部でもオンプレミス環境に戻した調査結果が公開されています。調査の主旨により数字は変動しますが、想像以上に大きな数字ではないでしょうか。

IDC: Increased Services, Pullback From Public Clouds Huge IT Disrupters
https://www.crn.com/news/running-your-business/idc-increased-services-pullback-from-public-clouds-huge-it-disrupters

State of Hybrid Cloud: February 2021(購読には登録が必要)
https://www.virtana.com/state-of-hybrid-cloud-research-report-feb-2021/

それでは、なぜわざわざオンプレミスに回帰せざるをえなかったのでしょうか。次章では、その要因について整理しています。

なぜオンプレミス回帰が起こり始めたか

企業としても現場担当者としても切羽詰まった問題です。典型的な要因は以下の通りです。

セキュリティ

どのような場合でもセキュリティには脆弱性がありますが、特にクラウドの場合はインターネットへより多く開かれていることで危険性が増します。例えば、システムで使われているプログラムに欠陥があれば、そこを攻撃され重要な情報を盗まれることがあります。実行者は、組織外(社外)の見知らぬプロの場合もあれば、組織内(社内)の場合もあります。悪意をもち意図的に実行する犯罪行為もあれば、悪意のない設定ミスもあります。過去には以下のような事件がありました。

1億人超の個人情報流出、容疑者はAmazon元従業員 クラウドセキュリティに不安の声も
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1908/05/news067.html

これらの脆弱性を少しでも軽減するため、他の方法と併用しつつ、システムの一部でも閉じた環境に移すことに効果があると考えられるようになりました。

パフォーマンス

例えば現状では、「通信回線」の速度や混み具合は、多くの場合まだオンプレミスの方が優位です。システム全体の処理速度が、業務を快適に進める効率に直結します。そのため、想定したコスト内で遅延なく業務ができた頃に戻りたいと考えるのも無理はないと考えます。

通信回線(ネットワーク)について、カゴヤのサーバー研究室の別の記事でより詳しく解説しています。

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コスト

単純にコストの高低だけで判断すべきではありませんが、クラウドに移行したら料金が当初見込んでいたより高かったため、また元に戻すことを検討する場合があります。その理由の一つに、コストを事前に正確な比較ができなかったことが考えられます。料金体系が複雑で、一律いくらの固定費用ではない場合があるからです。一見すると時間単価は安く感じられますが、多くのオプションサービスを付け継続して利用すると、総合計金額が当初の想定を大きく上回る可能性があります。

可用性

システムがいつでも利用したいときに使える目安で、稼働している割合を指しています。クラウド(パブリッククラウド)でもオンプレミスでも、可能な限り高い可用性を目指します。確認すべき対象はサーバー機器だけでなく、ネットワークやサーバー以外の機器のほか電源設備があります。

こちらの対象項目によって、自組織でどの程度対応すべきか変わります。例えば電源設備の場合、クラウド(パブリッククラウド)ではサービス提供会社の責任(リスク)ですが、オンプレミスでは自組織で保守しなければなりません。

言うのは簡単ですが、これらの対象を全て正常に動作させ続けることで、初めてシステムが動きます。可用性の高い状態を維持するために、クラウド(パブリッククラウド)とオンプレミスでどちらが優位かあらためて冷静に比較検討すべきと考えます。

スキル

前向きにどこまで責任(リスク)を外部に任せられるかは、優先して経費をかける目標次第で、組織により異なります。正常に稼働する方法だけでなく、発生した障害への対応とその記録の蓄積は重要です。その地道な作業を繰り返し行うのが現場の担当者で、まさに問題を理解して解決できる「スキル」と考えます。

クラウドとオンプレミスを融合したハイブリッドクラウドをおすすめする理由

前章のオンプレミス回帰5要因にあるように、クラウド(パブリッククラウド)とオンプレミスのそれぞれの良さと悪さを学習し、「ハイブリッド」クラウドという融合型に行き着きました。クラウドとオンプレミスというメニューから、どちらか一方を選択しなければならないわけではありません。

名称にクラウドの文字が入っていますが、「ハイブリッドクラウド」はクラウドの1分野にとどまらず、以下の3つを組み合わせて誕生したまさにハイブリッドなシステムです。

  1. オンプレミス
  2. パブリッククラウド
  3. プライベートクラウド

個々の項目について、カゴヤのサーバー研究室では以下の記事で詳しく解説しています。

プライベートクラウドとは?ハイブリッド/パブリッククラウド/オンプレミスとの違い、それぞれの意味を分かりやすく解説します

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ハイブリッドクラウドとは?メリットを構成例付きで分かりやすく解説します

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ハイブリッドクラウドの普及予測

国や業種、組織規模などにより大きく変わるため見通しは困難です。それでもハイブリッドクラウドの拡大を予測する調査が目立ちます。例えば、IDC Japanが2020年に実施した調査によれば、ハイブリッドクラウドを実現する割合が、4.8%(2020年)から13.0%(2022年)へ拡大する結果を公開しています。

国内ハイブリッドクラウドインフラストラクチャ利用動向調査結果を発表(プレスリリース)
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ46935420

(補足記事)ITインフラのオンプレ回帰が鮮明に–IDC調査
https://japan.zdnet.com/article/35161291/

ハイブリッドクラウドならKAGOYA FLEX

カゴヤ・ジャパンでは、ハイブリッドクラウドの導入プランだけでなく支援する体制も整っています。データセンターの事業者でしかできない多様なオプションサービスを組み合わせているため、コストの見直しにもつながります。「オンプレミスとクラウドのギャップを埋める最適解」として、「KAGOYA FLEX」を検討されてみてはいかがでしょうか。詳しくは以下のページをご覧ください。

KAGOYA FLEX
https://www.kagoya.jp/cloud/hybrid/

ハイブリッドクラウドのプランとして、「FLEXクラウド×ベアメタルサーバー」と「FLEX×ハウジング」の2種類を用意しています。

まとめ

オンプレミス回帰により、ハイブリッドクラウドが注目されている状況を解説しました。他社のこれまでの経験や反省をよく学習し、自らの組織での改善に役立てることが重要です。流行りやネーミングに惑わされず、問題点と解決方法の本質を見極め、自社にとって後悔のない意思決定がやはり理想と考えます。undo(元に戻す)ことは、ショートカットのように簡単にできないからです。

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