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はじめてのRedmineインストールと使い方~無料プロジェクト管理ツール導入~

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仕事をチームで効率良く進める手段として、プロジェクト管理ツールがあります。今回は無料で利用できる、Redmineというオープンソースをご紹介します。Redmineの導入方法はいくつかあるなかで、インストールが最も簡単な方法を説明していきます。これでチームのメンバーがたとえ離れた場所にいても、仕事をスムーズに進めることができます。最近広がっているリモートワークにも、積極的に活用できるのではないでしょうか。

Redmineの使い方

Redmineとは?

Jean-Philippe Lang氏を中心に、2006年より開発が進められているプロジェクト管理ソフトウェアです。30か国以上の言語に翻訳されています。日本語の情報は非公式ですが、こちらのサイトに集約されています。日本語の環境は整っていて、使いやすくなっています。
公式サイトによれば、最新バージョンは4.0.0 / 3.4.7 / 3.3.9(2018年12月時点)です。一方、日本語の情報では3.4.6 / 3.3.8(2018年6月時点)です。

Redmine導入でできること

プロジェクト管理に必要な項目はだいたい含まれています。代表的なものをご紹介しましょう。

  1. チームのメンバーとして登録すれば誰でも、いつでも、どこでも参加プロジェクトの管理ができる
  2. 一度タスクを登録すれば、次のような複数のやり方で表示し、参加プロジェクトの進捗管理ができる(一覧表/ガントチャート/カレンダー/ロードマップ)
  3. 同時に別々の場所からRedmineにアクセスができるので、時間を無駄にしない
  4. iPhoneとAndroidのアプリを導入すれば、モバイル環境でもプロジェクト管理がやりやすい
  5. オープンソースのため、無料または低コストで利用できる
  6. すぐに使えるクラウド版も用意されている
  7. 画面だけでなくマニュアルも日本語化されているので利用しやすい

Redmineの仕組みと構造

Redmineの基本的な仕組みを理解する上で、「チケット」と「モジュール」と呼ばれる構造がポイントになります。簡単に説明すると以下のようになります。

チケットやるべき個々のタスクの単位
モジュール一つひとつの機能(「ガントチャート」や「カレンダー」など)

少し難しいですが、次のようなイメージになっています。


出典 : 第15回RxTstudy『大規模組織や多様な業務におけるRedmineの課題』

ここまでRedmineの概要を解説してきました。次章からはインストール方法の説明に移ります。

VPSにインストールする方法

Redmineを利用するためには、関連ソフトウェアを多くインストールする必要があり、もともとは難しい作業でした。現在では、利用者の状況に合わせてインストール方法を選べるようになっています。

1)今回のインストール方法

こちらの記事では簡単にVPSへインストールできる、以下の方法を選択して説明していきます。
Ubuntu用 Redmine自動インストール用Ansible playbook (GitHub)
自動インストールされるソフトウェアは次の通りです。

  • Redmine 3.4
  • Ubuntu Server 16.04.2 LTS
  • PostgreSQL 9.5.2
  • Apache 2.4.18 (Railsの実行にはPassengerを使用)
  • Ruby 2.2.3

CentOSでもほぼ同様の手順でインストールが可能です。
CentOS用 Redmine自動インストール用Ansible playbook (GitHub)

2)利用したVPSのプラン

まずは検証用に、こちらのスペックにてVPSにセットアップします。

企業名カゴヤ・ジャパン
プラン名KAGOYA CLOUD VPS
CPU2コア
メモリー2GB
ストレージSSD 25GB
OSテンプレートUbuntu16.04(64bit)
料金日額 24円/、月額 660円

【注意!】
Redmineをインストールする前に、VPSの初期設定をしてセキュリティ対策をおすすめします。詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

【VPS活用】絶対やっておきたい初期設定リスト

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3)自動インストール方法

こちらのページ通りにコマンドを実行します。時間は多少かかりますが、「コマンド6個実行するだけで、あとはしばらく放置すればインストールが完了」します。ぜひお試しください。

(1)Ansibleとgitのインストール

【コマンド】

sudo apt-get updatesudo apt-get install -y python-pip libpython-dev git libssl-dev

sudo pip install ansible

(2)playbookのダウンロード

【コマンド】

git clone https://github.com/farend/redmine-ubuntu-ansible.git

(3)PostgreSQLに設定するパスワードの変更 (推奨)

【コマンド】

vi redmine-ubuntu-ansible/group_vars/redmine-servers

3行目のdb_passwd_redmine を任意のパスワードに変更しましょう。

(4)playbook実行

【コマンド】

cd redmine-ubuntu-ansible

ansible-playbook -i hosts site.yml

インストールは10〜20分ほどかかります。その間、コンソールには進捗状況が日本語で表示されます。

(5)Redmineの画面にアクセス

Webブラウザで、http://サーバーIPアドレス/redmine にアクセスして以下の画面が表示されれば、インストールは完了です。

設定方法

この章では初期設定のほかに、今後利用する際におすすめの設定方法について解説しています。こちらのページを参照しながら、必要な部分を設定していきましょう。
なお今回実施した自動インストールの方法では、デフォルトデータのセットアップ作業は済んでいるため、こちらのページのように初期データを読み込む必要はありません。

(1)初期設定

まずは管理画面のパスワードを変更しましょう。変更方法は、画面右上の「ログイン」をクリックします。以下の画面が出たら、ログインIDとパスワードをともにadminと入力します。

次に以下の画面が出ますので、パスワードを変更します。初期設定のadminのままでは、セキュリティ上危険なためです。

(2)セキュリティ向上のための設定

①「認証が必要」を有効にする

②「デフォルトで新しいプロジェクトは公開にする」を無効にする

(3)ユーザー名の姓と名の順番を整える

「設定」→「表示」タプで表示されている「ユーザー名の表示形式」を以下のように変更します。この変更をしないと、ユーザー名が名 + 姓と表示されたままになります。
(変更前)Admin Redmine → (変更後)Redmine Admin

(4)ユーザーの追加

Redmineにログインして利用するユーザーを追加します。利用者が増えるたびに、この作業を繰り返します。

  • 画面上部の「管理」をクリックする
  • 画面左側の「ユーザー」をクリックする
  • 画面中ほどの「新しいユーザー」をクリックする
  • 「新しいユーザー」登録画面が出たら必要な箇所を入力する(*印のついている項目は必須)
  • 最後に「作成」をクリックする


セキュリティ向上のため、赤枠の「次回ログイン時にパスワード変更を強制」のチェックボックスを有効にしましょう。
また「アカウント情報をユーザーに送信」のチェックボックスを有効にすれば、ユーザーに自動的に登録情報を通知できるため便利です。なおこの機能を利用するためには、メールサーバーの設定が別途必要です。今回は省略しています。

(5)プロジェクトの追加

Redmineの「プロジェクト」は、ふだん使う言葉の意味とだいたい同じです。仕事が一つできたら、「プロジェクト」を一つ追加していきます。操作方法は、ユーザーの追加と似ています。「プロジェクト」の名称はできる限り具体的に、他と重複しないようにしましょう。

  • 画面上部の「管理」をクリックする
  • 画面左側の「プロジェクト」をクリックする
  • 画面中ほどの「新しいプロジェクト」をクリックする
  • (4)「新しいプロジェクト」登録画面が出たら必要な箇所を入力する(*印のついている項目は必須。「識別子」はURLの一部になるため、英語でわかりやすい単語を入力)
  • 最後に「作成」をクリックする


「説明」欄にはプロジェクトの概要を入力します。この欄の入力は必須ではありませんが、メンバー間で共有しておきたい内容を、メモ代わりに履歴として残しておくような使い方もあります。

(6)プロジェクトメンバーの追加

プロジェクト追加した直後には、所属するメンバーはまだ登録されていません。そのため、プロジェクトメンバーの追加が必要です。

  1. 画面上部の「管理」をクリックする
  2. 画面左側の「プロジェクト」をクリックする
  3. 「プロジェクト」一覧から該当の「プロジェクト」名をクリックする
  4. 「メンバー」タブを選択し、「新しいメンバー」をクリックする
  5. 検索欄に、すでに作成したユーザーの苗字などを入力する
  6. 該当のユーザーのチェックボックスを有効にする
  7. メンバーとロール(役割・権限)で該当の部分のチェックボックスを有効にする
  8. 最後に「追加」をクリックする

(7)無料レスポンシブテーマの導入

初期設定のテーマでも、モバイル環境で利用は可能です。別途テーマを導入することで、スマートフォンなどでより見やすい表示にできます。

  • こちらのサイトで新規テーマ(zipファイル)をダウンロードする(メールアドレスの登録が必要)
  • /var/lib/redmine/public/themes以下に、解凍したファイルを展開する
  • Redmineを再起動する
  • 「管理」→「設定」→「表示」タブを開き、一番上の「テーマ」より「A1」を選択する

Redmineの基本的な使い方

Redmineでは、作業の最小単位を「チケット」と呼びます。一つの「プロジェクト」が、複数の「チケット」で構成されているイメージです。管理者などが作成した「プロジェクト」で実施する個々の作業を、「チケット」としてメンバーが入力し管理していきます。

(1)チケットの新規作成

  1. 「プロジェクト」→「チケット」タブを開き、「新しいチケット」をクリックする
  2. 必要な項目を具体的に入力する
  3. ポイントとして「優先度」や「期日」(締め切り)を設定しておくと、進捗状況の把握しやすくなる


「チケット」には多くの情報を入れることができます。詳しくはこちらのページをご覧ください。また作業の進捗によって、登録情報を随時更新することができます。

(2)チケットの確認方法(基本編)

  • 「プロジェクト」→「チケット」タブを開き、「題名」をクリックする
  • 以下の画面が表示される(さきほど設定した「優先度」や「期日」が表示されている)

(3)チケットの確認方法(応用編)

いくつか方法があります。ここでは代表的なガントチャートとカレンダーについて取り上げます。まずは「プロジェクト」→「チケット」タブを開き、「題名」をクリックしてみます。

①ガントチャート

「ガントチャート」タブを開くと、下記のような画面が表示されます。文字だけの場合と比べて、作業の進捗状況が把握しやすくなっています。プロジェクトを構成するチケットの段取りが、よく見えるようになります。

②カレンダー

次に「カレンダー」タブを開くと下記のような画面が表示されます。これで各作業の締め切りが明確になり、無理のないプロジェクトの進行計画が立てやすくなります。

他にもチケットに登録した情報を、さまざまに整理して表示する機能があります。

利用上の注意点

Redmineは機能が盛りだくさんで使いこなすのが大変なため、まずは比較的シンプルな機能より慣れていくことをおすすめします。
またRedmineというより使い方の問題ですが、ルールをメンバーの中で決めてから本格運用したいものです。特に利用する人数が増えるほど、ルールの大切さが出てきます。一度決めたことはなかなか変更できず、頻繁に変えるとメンバーが混乱するからです。

まとめ

ここまでいかがでしたか。オープンソースでも、Redmineは多機能で使いやすいプロジェクト管理ツールです。KAGOYA CLOUD VPSを利用して、Redmineをすぐに使い始めてみませんか。

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