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Linux系OSのバックアップ方法を分かりやすく解説します

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自分仕様にカスタマイズができて、通信の軽いLinux。今回はこのLinuxのバックアップ方法2種類をわかりやすく解説していきます。また、バックアップ時に必要なソフトやツールについても簡単に解説していきます。

LINUX

2種類のバックアップ方法

Linuxのバックアップにはシステム(イメージ)バックアップとデータバックアップの2種類があります。ここでは、この2種類のバックアップ方法について解説します。バックアップのさいに利用するコマンドについても紹介します。

システム(イメージ)バックアップ

2種類のバックアップ方法のうちここではシステム(イメージ)バックアップの目的や方法、注意点について解説します。

システムバックアップを行う目的

システムバックアップ(PCではイメージバックアップといわれる)とは、システムファイル・ブートファイル・プログラムファイルといったサーバー環境をまるごとバックアップすることです。

システムバックアップはサーバーに不具合が発生したり故障したりしたさいに、速やかに復旧させるために必要です。システムバックアップではバックアップをとった時点のシステムのデータが含まれているため、これをそのままサーバーへ戻す(リストア)ことで、バックアップ取得時点のシステムの状態へすぐに戻すことができます。

システムバックアップを行うためにはバックアップの保存先(ハードディスク・クラウドなど)を確保する必要があります。

システムバックアップの方法

システムのバックアップにはオフラインバックアップオンラインバックアップの2種類があります。まずオフラインバックアップとはサーバーを停止した状態で行うバックアップのことです。サーバーを停止した状態で、その時点でのバックアップを取得するためデータの破損が起こらず簡単で確実に行えるメリットがあります。ただし、サーバーが停止した状態となるため、バックアップを行う間、ユーザーはサーバーが利用できなくなるデメリットがあります。

もう1つのオンラインバックアップとは、オフラインバックアップと逆でサーバーを起動した状態で行うバックアップのことです。オンラインバックアップにはバックアップの間もユーザーがサーバーを利用できるメリットがあります。一方でサーバーが停止されていない状態のバックアップであるため、どの時点でのバックアップか判断できなかったり正常にデータがバックアップできずデータ破損が発生する可能性があったりするデメリットもあります

システムバックアップを行うためには”dump”というコマンドを利用します。

【オフラインバックアップ・オンラインバックアップまとめ】

メリットデメリット
オフラインバックアップ
(サーバを停止した状態で行う)
データの破損が起こらず簡単で確実に行えるバックアップを行う間、ユーザーはサーバーが利用できなくなる
オンラインバックアップ
(サーバーを起動した状態で行う)
バックアップの間もユーザーがサーバーを利用できるどの時点でのバックアップか判断できなかったり正常にデータがバックアップできずデータ破損が発生する可能性がある

システムバックアップを行う際の注意点

オフラインバックアップ・オンラインバックアップともに一長一短があります。オフラインバックアップは確実ですが、サーバーを一時的に停止することによる影響に注意する必要があります。オンラインバックアップはサーバーを停止せずに実行できますが、バックアップ実行後から完了までのどの時点のデータかわからずデータ破損の可能性があるので注意が必要です。

また、オフラインバックアップ・オンラインバックアップに関わらずきちんとスケジューリングして定期的にバックアップを行う必要があります。バックアップが古いと後から元の設定に戻すのが困難になります。

データバックアップ

2種類のバックアップ方法のうちここではデータバックアップの目的や方法、注意点について解説します。

データバックアップ

データバックアップを行う目的

データバックアップとはデータベースに保存されたデータや、共有フォルダに保存されたファイルをバックアップすることです。それらのデータが消えたり破損してしまったりしたときに、それを元通りに戻すのに必要となります。

システムバックアップと同様にデータバックアップでもバックアップの保存先(ハードディスク・クラウドなど)を確保する必要があります。

データバックアップの方法

データバックアップを行う場合、一番簡単なのは専用のバックアップソフトウェアを使用する方法です。ソフトウェアによって動作が異なりますが、多くの場合はバックアップを管理するバックアップサーバーを別に用意して、バックアップ元となるサーバーをコントロールします。

その他、ストレージが搭載するスナップショットという機能を使う方法もあります。スナップショットとは、ストレージ上の”ある時点でのイメージ(バックアップ)”です。スナップショットを使うことで任意の時点のストレージのデータをまるごとバックアップできます。

また、データベースをバックアップする場合はコマンドラインを使った標準機能を使う方法もあります。たとえばMySQLではmysqldumpというコマンドが用意されています。

データバックアップを行う際の注意点

データバックアップの場合、バックアップの対象や何を使ってバックアップをするかといった状況によって方法が変わるので注意しましょう。また、バックアップを復旧させる際の手順としてバックアップしたデータを物理的にサーバーに戻す「リストア」の後に、元に戻したデータに処理をして最新の状態にする「リカバリ」を行う必要がある点にも注意が必要です。

バックアップ方式

データバックアップの方式にはフルバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップの3つがあります。ここではそれぞれの方式について1つずつ説明します。それぞれの方式の違いを理解し、ご自身の運用に合うものを採用するとよいでしょう。

バックアップ公式

フルバックアップ

フルバックアップとは、全てのデータを毎回バックアップする方法です。フルバックアップのメリットとしては、方式としてはシンプルなので実行しやすいことがあげられます。復旧の際も最新のフルバックアップで取得したデータ1つ使えばよいので簡単です。その一方で、バックアップすべきデータ量が多くバックアップにかかる時間がかかるデメリットがあります。

差分バックアップ

差分バックアップとは、最初にフルバックアップをしておいて、その後はフルバックアップから変更されたファイル(差分)のみをバックアップする方式です。この方式のメリットは、フルバックアップと比較してバックアップすべきデータ量を少なくして、バックアップにかかる時間を短くできることです。その反面、復旧の際に最初のバックアップと差分のバックアップの2つのデータを使う必要がある点と、差分のバックアップ量が回数を重ねるごとに多くなるデメリットがあります。

増分バックアップ

増分バックアップは、最初にフルバックアップをしておくところまでは差分バックアップと同じです。その上で差分バックアップが常にフルバックアップとの差分をバックアップする一方、増分バックアップでは前回のバックアップから変更されたファイルのみをバックアップします。増分バックアップでは、差分バックアップよりさらにバックアップすべきデータ量が少なくなりバックアップにかかる時間も短くなるメリットがあります。その一方で、復旧する際には、フルバックアップをはじめとしてその後に取得した全てのバックアップデータを適用しなければならないのがデメリットです。管理しておくべきバックアップファイルの量も多くなり、管理も煩雑化します。

【バックアップ方式のメリット・デメリットまとめ】

メリットデメリット
フルバックアップ・シンプルなので実行しやすい
・データ1つ使えばよいので簡単
データ量が多く時間がかかる
差分バックアップ・フルバックアップと比べてデータ量が少なくなり時間が短縮できる・データを2つ使う必要がある
・回数を重ねるごとにバックアップ量が多くなる
増分バックアップ・差分バックアップよりさらにデータ量が少なくなりかかる時間も短くなる・すべてのバックアップデータを適用しなければならず管理も煩雑になる

バックアップ先

ここではシステムバックアップやデータバックアップに必要となるバックアップの保存先の種類について1つずつ紹介します。

バックアップ

テープ

磁気テープ形式の外部記憶装置を用いる方法です。古くから使われている信頼性の高い方法で、記憶容量あたりの単価が安いメリットがある一方、読み書きに時間がかかるデメリットがあります。そのため、バックアップすべきデータ量が膨大化した現代では、他の方法を選択する動きが目立っています。

ハードディスク

近年ハードディスクは価格が下がり、高速なSSDも登場したことでバックアップ先としてよく使われるようになっています。読み書きにかかるスピードはテープよりも速いです。

クラウドバックアップ

バックアップの保存先として昨今注目を浴びているのがクラウドです。大容量のデータを安価な価格でバックアップできる上、遠隔地にバックアップができることもメリットとしてあげられます。
クラウドバックアップでは専用のツールが整備され、比較的簡単に導入・管理することもできます。

クラウドバックアップサービスの1つとして、カゴヤ・ジャパンが提供するクラウドバックアップ/Acronisがあげられます。初期費用なし、月額料金2,200円(税込)で100GBまでバックアップ領域を利用することができる上、100GBを超えた場合でも20円(税抜)/1GBという安価な重量料金で上限なしに利用できます。また、直観的でわかりやい管理画面からバックアップやリストアの作業が行えるので、特別な知識も必要ありません。

クラウドバックアップ/Acronisについての詳細は以下URLからご確認ください。

【参考】
クラウドバックアップ|カゴヤ・ジャパン

まとめ

バックアップはLinuxサーバーを運用するにあたって”もしもの場合”に備えて必ず必要です。この記事を参考にして、システムバックアップやデータバックアップの概要についてより深く理解して適切に運営していきましょう。

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