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メールアーカイブとは?導入メリットや種類、選び方をわかりやすく解説

公開
メールアーカイブの解説

企業にとってメールを適切に管理することは重要なテーマです。管理方法に不備があり事故が発生すれば、大きな損害や信用問題につながることは言うまでもありません。

メールアーカイブは、メールでのコミュニケーションが欠かせない企業にとって大きな助けとなるツールです。メールアーカイブを導入することで、社内のメールを適切・効率的に管理できるようになるでしょう。

本記事ではメールアーカイブとは何かといった基本から、導入するメリット・理由、選び方まで解説します。本記事の内容を理解することでメールアーカイブの概要を把握し、自社にあったメールアーカイブシステムを選定できるようになるでしょう。

目次

メールアーカイブとは?社内で送受信されたメールを自動保存する仕組み

メールアーカイブとは社内で送受信されたメールを、完全な状態で自動保存する仕組みです。アーカイブすることによって、メールの削除や改ざんを防ぐことができます。

またアーカイブされたメールは、必要なときに検索して取り出すことも可能です。従業員ごとの受信トレイにメールが格納されているのと比べ、メールアーカイブを使う方が検索性に優れるのは言うまでもありません。従業員が重要なメールを誤って削除してしまっても、メールアーカイブにはそのメールが残ります。

メールのアーカイブの図解

メールアーカイブとバックアップの違い

メールアーカイブとバックアップは、データを保存・保護するという点で共通してはいますが大きな違いがあります。

バックアップの目的は、障害などでデータが消失してしまった際に元通りに戻すことです。バックアップされたデータは、上書されます。

一方メールアーカイブの目的は、必要なときに取り出して参照することです。またメールアーカイブでは、常に新しいメールを追加で保存し、データを上書きすることはありません。あらかじめ決められた保存期間を過ぎたり保存容量を越えたりしない限り、メールを保存し続けるのです。

Gmailなどのアーカイブ機能と企業が使うメールアーカイブシステムの違い

Gmailなどのメールソフトにはアーカイブ機能がありますが、企業が使うメールアーカイブシステムとは根本的な違いがあります。Gmailなどのメールアーカイブ機能は、メールを削除せずに受信トレイから見えない状態にする機能です。

アーカイブされたメールが見えなくなるので、受信トレイが整理され必要なメールを探しやすくなります。アーカイブしたメールについてはあとで検索したり、受信トレイに戻したりすることも可能です。

Gmailなどのアーカイブにおいて、メールは同じアカウント内のメールスプール内に保存されています。企業が使うメールアーカイブシステムと違い、別サーバーなどへ保存するわけではありません。

またGmailなどのメールアーカイブが対象とするメールは、そのアカウントが送受信したメールに限ります。企業が使うメールアーカイブシステムのように社内全部が送受信するメールを対象とはしません。

その他にも以下のような違いがあります。

  • Gmailのメールアーカイブはアカウントが削除されると同時に削除される。企業が使うメールアーカイブシステムでは、社内ユーザーのアカウントが削除されても、メールは削除されない。
  • Gmailのメールアーカイブは手動でアーカイブする一方、企業のメールアーカイブシステムは自動保存される。

このように両者には様々な違いがあるのです。同じメールアーカイブという名称ながら、目的・機能ともに異なっています。

メールアーカイブを導入するメリット・理由

企業にとってメールアーカイブを導入するメリット・理由は少なくありません。ここでは、企業がメールアーカイブを導入するメリット・理由をみていきましょう。

メールの改ざん・削除を防ぎ、証拠としての信頼性を高められる

メールアーカイブの目的は、メールを安全・確実に保存することです。そのためメールアーカイブを導入することによって、メールの改ざん・削除を防ぎ、証拠として必要とされる場合の信頼性を高められるのです。たとえば関税法に対応するためには、メールが改ざんされていないことを担保できる必要があります。

メールの検索性を向上させられる

企業では、毎日膨大な量のメールが送受信されます。そうしたなかで、各社員の受信トレイに保存されたメールのなかから、必要なメールを探し出すのは容易ではありません。

その点、メールアーカイブでは送受信されたメールが集約されている上に条件指定による検索機能を備えています。メールアーカイブを導入することでメールの検索性が劇的に向上し、送受信されてから長い時間が経過したメールも速やかに探し出せるのです。

メールによる情報漏洩の対策になる

メールがアーカイブされていることが社内に周知されていれば、メールによる故意の情報漏えいを抑止できます。また万が一メールによる情報漏えいが発生した際は、誰が送ったどのメールが原因か速やかに特定できるのです。

内部統制対策 (J-SOX法対策)になる

内部統制対策 (J-SOX法対策)としても、メールアーカイブは有効です。J-SOX法(日本版内部統制報告制度)では取引情報に関わるメールの全文保存と、条件を指定して検索・参照する機能を求めています。メール全文を安全に保存でき、条件指定による検索も可能なメールアーカイブであれば、J-SOX法がメール管理に求める要件を満たせるのです。

メールのバックアップとしても使える

メールアーカイブは、メールのバックアップとしても使うことができます。

多くの企業にとってメールは、社内外でのコミュニケーションに使われる重要なツールです。メールには貴重な情報が含まれている場合が少なくはなく、消失してしまえば重大な損害につながることもあり得ます。

その点、メールアーカイブを使えば各社員の受信トレイから削除されてしまったメールでも、簡単に復旧することが可能です。万が一メールサーバーがクラッシュしてしまっても、メールアーカイブがあれば、重要なメールを迅速に復旧させられます。

ビジネスの継続性を確保できる

災害やシステム障害などでメールサーバーが破損し、重要なコミュニケーションツールであるメールが長期間使えなくなる可能性があります。また従業員のPCがクラッシュし、クライアントから個人宛に届いたメールが消失してしまう可能性もあるでしょう。バックアップがなければ、重要なメールが参照できなくなってしまうのです。

こういった場合もメールアーカイブがあれば、過去のメールを速やかに復旧できます。ビジネスの継続性を確保するためにも、メールアーカイブが役に立つわけです。

私用メールの対策になる

メールアーカイブは、従業員が会社のメールアドレスを私用で使うのを予防するためにも有効です。送受信するメールが全てアーカイブされていることが社内で周知されれば、従業員は私用でメールを使うのを控えるようになります。私用メールが削減されることで、業務の効率も向上するでしょう。

メールアーカイブシステムの種類3つ

3つのメールアーカイブシステムの違いの図解

メールアーカイブシステムの種類は3つあり、それぞれ特徴が異なります。メールアーカイブを導入する際は、これらの特徴を把握し自社にあった種類を選ぶようにしましょう。以下、各タイプの特徴を解説します。

ゲートウェイ型 | ゲートウェイサーバーでアーカイブをおこなう種類

ゲートウェイ型は、外部ネットワークと通信する経路上にアーカイブサーバーを設置するタイプです。導入が簡単である上に、社外とやりとりするメールを全てアーカイブできることから、最もよく採用される種類となっています。ゲートウェイ型では、メールのフィルタリング機能もメールアーカイブ用のサーバー上で実行されることが多いです。

注意点

ゲートウェイ型ではメールアーカイブサーバーが社内外をつなぐ経路上に設置されることから、社内間のメールはアーカイブされません。またゲートウェイに障害が発生すると、メール送受信も同時にできなくなるリスクがあります。

パケット収集型 | ネットワークパケット収集によりアーカイブをおこなう種類

パケット収集型は、メールをはじめとしたネットワーク上のパケットを収集してアーカイブするタイプです。パケット収集型ではメールだけでなく、Webアクセスなどのデータも収集できます。また既存のメールシステムやネットワーク構成の変更が必要ないことから、比較的簡単に導入できる点もメリットです。

注意点

パケット収集型では、ミラーポート機能を搭載したスイッチングハプなどが必要となります。機器の性能や通信量などによりパケットロスが発生し、アーカイブに失敗する可能性がある点は注意が必要です。

またパケット収集によりアーカイブを実現するタイプであることから、ゲートウェイ型のようなフィルタリング機能は使えません。フィルタリングによって、メールの送信を停止するといった設定ができないのです。

ジャーナル連動型 | サーバーのジャーナル機構によりアーカイブをおこなう種類

ジャーナル連動型はメールサーバーがもつジャーナル機構を利用して、メール送受信のたびにメールのアーカイブをおこなう種類です。ジャーナルとはメールのコピーをおこなう機能で、Microsoft Exchange Serverなどに実装されています。ジャーナル連動型はネットワークに対して干渉しないことから、障害が発生してもメール送受信がとまることはありません。そういった意味では、安心して使えるとは言えます。

注意点

ジャーナル機構型は、お使いのメールサーバーがジャーナル機構に対応していなければ使えません。またゲートウェイ型のようなフィルタリングも実行できない点は注意が必要です。

メールアーカイブシステムの選び方

メールアーカイブを実現するサービス・製品により、機能性や価格が大きく異なります。メールアーカイブを導入する際は、いくつかのポイントをチェックして自社にあうか判断することが必要です。以下、メールアーカイブシステムの主な選び方をみていきましょう。

提供形態は自社に適しているか

メールアーカイブの提供形態として以下の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

提供形態概要
オンプレミス自社内でアーカイブシステムを構築するタイプ。
自社に合わせ自由にカスタマイズできるうえに、物理的なセキュリティを自社で管理できる。
一方でほかの種類に比べ導入費用が高くなるうえに、運用の負担が大きい。
アプライアンスソフトウェアインストール済の専用機器(アプライアンス)を使うタイプ。
オンプレミスに比べ手軽に導入できる反面、カスタマイズ性は低い。
クラウドクラウド上のアーカイブシステムを利用するタイプ。
導入費用が抑えられるうえに、運用の負担も少ない。
そのため最近では、もっともえらばれることが多い。

種類によって上記のように特徴が異なることから、自社にあった種類を選択する必要があります。

保存容量・保存期間は十分か

製品やサービスによって、メールアーカイブが可能な保存容量・保存期間が異なります。もちろん保存容量が大きいほど、保存期間が長いほどよいのは言うまでもありません。ただし、その分だけ料金も高くなります。予算を考慮しつつ、以下のような条件から十分な保存容量・保存期間を確保できるサービス・製品を選びましょう。

  • 従業員数
  • 送受信されるメール数
  • 添付ファイルはどのくらい送受信するか、どのくらいの容量になるか、
  • どのくらいの期間、メールを保存する必要があるかなど

検索性は優れているか

メールの検索性も、サービスや製品によって大きく異なります。情報漏えいなどのトラブルが発生した際や監査の際などは、検索性の高さは非常に重要です。

製品・サービスによっては検索機能が使いにくかったり、膨大なメールアーカイブから目的のメールを探すのに時間がかかったりします。検索時に指定できる条件も、サービス・製品によって差があるので確認するようにしましょう。

セキュリティ機能は十分か

セキュリティ機能についても、メールアーカイブの製品・サービスを選定する際は確認するべきです。企業にとって重要な情報や機密情報が含まれるメールアーカイブを保護するには、高度なセキュリティ性が求められます。

アクセス権限の設定をどの程度できるか、アクセスログ・操作ログはどのくらい取得・保存できるかなどを確認しましょう。万が一不正アクセスを受けた際に役立つ暗号化や、誤ってメールが削除されるのを防ぐ削除防止機能なども重要です。

コストは合っているか

メールアーカイブ製品・サービスの選定ポイントをみてきましたが、コストがどのくらいかかるかも選定時に重要なポイントとなるでしょう。機能が優れていたり保存容量・期間に余裕があったりする製品・サービスの方が、当然ですが料金も高くなります。一方で十分な機能や保存容量・保存期間を実現しながら、比較的安価なサービス・製品もないわけではありません。

製品・サービスにより、メールアーカイブの料金には大きな差があるので、自社の予算にあうかは必ずチェックが必要です。

カゴヤのメールアーカイブサービス「Active! vault」の特徴

カゴヤのメールプラン専用タイプ・エンタープライズでは、メールアーカイブサービス「Active! vault」が使えます。

メールプラン プレミアムシールド | KAGOYA

メールプラン 専用タイプ・エンタープライズは、SPF・DKIM・DMARC、脱PPAP対応など高いセキュリティを実現したい方におすすめ。ゲートウェイやセキュリティアプライアンスを「専有」したり「冗長構成」とすることで安定したメール送受信が可能です。

Active! Vaultは、検索性・セキュリティ性が優れたメールアーカイブです。カゴヤのActive! Vaultでは、メールアーカイブサーバーがカゴヤのデータセンター内に保存されます。

サーバーなどの管理者権限などは、お客様に移管されません。利用ユーザーであるお客様自身でも改ざん・削除が不可能であることから、より証拠能力が高いメールアーカイブを実現できます。

引用元:https://www.kagoya.jp/option/mail-activevault/

低コスト

メールアーカイブ環境(専用メールサーバーと専用メールアーカイブのセット)を導入する場合、数百万円のコストがかかることもあります。Active! Vaultであれば、そういった高価なアーカイブシステムと同等の環境を、初期費用・月額費用ともに数万円という低コストで利用が可能です。

また、一般的にはメールアーカイブサービスはユーザー数に応じた従量制のことが多いが、KAGOYAでActive! Vaultを利用した場合はユーザー数で変動しない月額定額制となっており、予算も立てやすいという特徴もあります。

選別保存が可能

あらかじめ登録したメールアドレス・ドメイン以外といったように、保存対象外設定などで保存するメールを選別できます。

詳細な検索設定

きめ細やかな条件設定にて、対象のメールを確実に検索できます。

Active! Vaultで使える主なメール検索条件
  • 送受信メールアドレス
  • 受信期間
  • メール件名
  • メール本文の内容
  • 添付ファイルの有無
  • 添付ファイル名
  • 添付ファイルの内容
  • Message-IDなど

アクセスコントロール・ログイン履歴閲覧によるセキュリティ対策

検索ユーザーごとにIPアドレス・検索対象ドメイン・アドレス・期間・曜日・時間帯などのアクセスコントロールを設定可能です。また全ユーザーのログイン・操作・検索履歴を閲覧できます。

アクション発生時の通知メール

検索ユーザーやシステム管理者が不正ログインをしようとした際や、ユーザーが検索した際などに通知メールを受け取ることが可能です。常に検索システムの動向を把握できます。

カゴヤのメールアーカイブサービス「Active! vault」に関する詳細やお問い合わせについては、以下公式サイトURLを確認ください。

メールアーカイブサービス Active! vault | KAGOYA

サーバーと一緒にご利用いただく便利なオプションサービスをご紹介しています。

まとめ

メールアーカイブとは社内で送受信されたメールを、完全な状態で自動保存する仕組みです。メールアーカイブを導入することでメールの改ざん・削除を防ぐとともに、メールの検索性が格段に向上します。

情報漏えい対策や内部統制対策 (J-SOX法対策)としても、メールアーカイブは非常に有効です。一方、メールアーカイブシステムにはさまざまな種類がある上に、導入費用・月額費用が数百万円に上る高価な種類も少なくありません。

自社でメールアーカイブを導入する際は選定のポイントを把握しておくことはもちろん、予算にあった製品・サービスを探すことも必要です。その点、カゴヤのメールアーカイブサービス「Active! vault」は、高額システム同等の機能を初期費用・月額費用ともに数万円程度から使えます。

自社にあうメールアーカイブを選ぶ際は、ぜひメールアーカイブサービス「Active! vault」も検討ください。

メールサーバーを専有できる高コスパプラン

KAGOYAのメールプラン「セキュアベーシック」や「専用タイプ」ではメールサーバー1台を専有でき、他のユーザーの影響を受けずセキュアにメールの送受信が可能。
当然、メールアドレス数は無制限で法人利用率の高い高コスパなプランとなっています。