お問い合わせはこちら

HCIによるオンプレとクラウドのいいとこ取り(Software Design 2021年8月号掲載)

公開
更新

業界をリードする老舗レンタルサーバ企業のカゴヤ・ジャパンは、デル・テクノロジーズ( 以下、デル) と共同で、オンプレミスとクラウドのメリットを併せ持ち、中堅企業が抱える課題を解決するソリューション「KAGOYA FLEX HCI」サービスを提供している。これについて、カゴヤ・ジャパン ソリューションセールスグループの藤田貴行氏とデルの木村佳博氏と迫間圭吾氏にお話を伺った。

この記事は Software Design 2021年8月号 に掲載された取材記事です。

NutanixタイプとVMwareタイプのハイパーバイザーを使ったHCIを提供

―― カゴヤ・ジャパンではデルと提携して、HCIハードウェアを活用したさまざまなサービスパッケージを提供していると伺いました。その経緯についてお聞かせください。

カゴヤ・ジャパン
藤田貴行氏

藤田氏:弊社で使用しているサーバをデルから購入させていただいているのが、お付き合いの始まりです。新たなサービスを企画する中でHCIのサービスを立ち上げることになったのですが、そのときにデルでも弊社のHCIサービスを販売展開していただけることになり、両社の提携事業として進めることになりました。

デル・テクノロジーズ
木村佳博氏

木村氏:昨年から始まったコロナ渦の影響で、社内サーバのオンプレミス管理が困難になるなど、お客様にもさ
まざまな変化がありました。現在オンプレミスにあるものを一気にパブリッククラウドに持っていこうとすると、
細かいカスタマイズが難しいためハードルが高くなるケースが少なくありません。そこに対して、保守やサポート
のアウトソーシング化なども含んだ、新しい選択肢となるソリューションを模索していました。

 今回の「KAGOYA FLEX HCI」では、オンプレミスとパブリッククラウドの狭間にしっかりと狙いを定めており、中堅企業の課題やニーズに応えるソリューションを提供できる点が、弊社の営業戦略とマッチしました。これが協業の背景です。

 

【図解】HCI(Hyper-Converged Infrastructure)とは?わかりやすく解説

【図解】HCI(Hyper-Converged Infrastructure)とは?わかりやすく解説

HCI(Hyper-Converged Infrastructure)とは、シンプルな構成でサーバーの仮想化を実現する製品の種類です。従来のサーバー仮想化は構成が複雑で、手が出せない企業も少なくありませんでした。そうした中で登場したHCIは、サーバー仮想化を今までより簡単に実現できる手段として注目を集めています。 それではHCIとは具体的にどのような技術で、これまでのサーバー仮想化と何が違うのでし…

―― お客様に対して、新たなパッケージソリューションを提供されているそうですが、具体的にはどのようなものでしょうか?

藤田氏Nutanix タイプとVMwareタイプの2種類のハイパーバイザーを使ったHCIを提供しています。それぞれエントリー/スタンダードの2種類のスペックを用意しており、さらに必要に応じてそれ以外の構成にも対応しています。お客様のニーズに沿った形で要件を聞いて、マッチしたスペックのHCIを提供していくという形になっています。

タイプNutanix HCI
エントリータイプ
Nutanix HCI
スタンダードタイプ
vSAN HCI
エントリータイプ
vSAN HCI
スタンダードタイプ
CPUコア数36コア
(12コア×3台)
48コア
(16コア×3台)
36コア
(12コア×3台)
48コア
(16コア×3台)
メモリー288GB
(96GB×3台)
384GB
(128GB×3台)
192GB
(64GB×3台)
288GB
(96GB×3台)
ストレージ
(実効容量合計)
約 4.8TB約 8TB約 4.9TB約 7.8TB
費用月額固定 月額固定 月額固定 月額固定

―― 具体的な事例にはどのようなものがありますか?

藤田氏:弊社自身の基盤で、一部にNutanix のHCIを採用し、お客様へのサービス提供を行うシステムを管理するサーバ群をHCI 化しています。お客様からは、vSANについての引き合いを多数いただいておりますね。

月額固定でカスタマイズ性の高さが「KAGOYA FLEX HCI」の最大のメリット

―― 「KAGOYA FLEX HCI」のメリットは何でしょうか?のようなものがありますか?

藤田氏:一番大きいのは月額固定料金です。一般的なパブリッククラウドでは月額料金が変動しますが、弊社のHCIサービスは月額固定料金が基本です。そのため、サブスクリプション的にご利用いただけるのが特徴です。パブリッククラウドを利用してみたが操作感やコスト的な部分で希望の結果を得られなかったお客様や、オンプレミスからパブリッククラウドへの移行について悩んでいるお客様に向けたサービスとなっています。

HCIサービス

カゴヤのHCIサービスは、拡張性と耐障害性に優れたハイパーコンバージドインフラをお客様に合わせた料金体系でご利用頂けるサブスク型仮想化基盤です。

>>詳しくはこちら

 弊社はデータセンターを自前で持っているので、その部分も最大限に活用いただけます。弊社データセンター内のHCIの環境とお客様の環境を、VPN などの回線で結ぶこともできます。

 ネットワークに関しても、1Gbpsベストエフォート型の回線を標準で無料提供しており、より大きな帯域も月額固定料金による提供が可能です。また、キャリア回線や専用線を引き込むことができるので、既存のネットワークとの接続が容易である点もお客様にとってのメリットになります。

 さらに、他社の同様のサービスではHCIの管理画面に直接アクセスできないケースもありますが、本サービス
ではHCIの管理画面を自由にご利用いただくことが可能です。

デル・テクノロジーズ
迫間圭吾氏

迫間氏:他社のプライベートクラウドでは、通常、メニューが固定されており、その中から構成などを選ぶ必要があります。そのため、当初、お客様が想定していたよりも大きな規模のサービスを選択せざるを得ず、結果的に、パッケージ化されたものと比較して、コスト的なメリットが得られないことがあります。

 「KAGOYA FLEX HCI」の最大のメリットは、カスタマイズ対応できる点です。際立った柔軟性によってお客様の環境に合わせたサービスを提供できるのが強みです。パブリッククラウドではどうしてもクラウドの仕様に合わせざるを得ないケースもありますが、本サービスでは、既存のオンプレミスのネットワークをそのまま踏襲した構成、オンプレミスとベアメタルサーバを組み合わせたシステム構成、AWS ではできないネットワークの細かい設定などが可能です。

P2VやV2Vで現在ご利用の物理サーバーや仮想マシンをそのまま移行することも可能

ここまで柔軟性の高いクラウド事業者は、我々の経験上ほかにないと断言できます。費用だけではなく柔軟性が、お客様にとっての最大のメリットになるはずです。

藤田氏:費用面でAWSと比較すると、同スペックであればほぼ同等となっています。先ほど申し上げたように、
HCI自体を月額固定料金で利用できるほか、ネットワークトラフィックを定額で利用できるのも、「KAGOYA
FLEX HCI」の大きな強みです。

―― 本日はありがとうございました

この商品のカタログはこちら

Nutanix と VMware vSAN の 2種類から選択可能
HCIサービスのカタログはこちら