
AWSやAzureといった大手パブリッククラウドの普及により、企業のITインフラは劇的な進化を遂げました。しかし一方で、「特定のクラウドに依存しすぎるリスク」や「想定外の従量課金によるコスト高騰」に頭を悩ませるIT担当者も増えています。
こうした課題を解決する鍵となるのが、複数のクラウドサービスを組み合わせて運用するマルチクラウド戦略です。
本記事では、なぜ今マルチクラウドの必要性が高まっているのかを解説するとともに、マルチクラウド構築を成功に導くための第二のクラウド(サブ環境)の選び方について詳しく解説します。
なお、マルチクラウドという言葉の意味など、基本的な部分を知りたい方は以下の記事をご参照ください。

マルチクラウドとは?言葉の意味、活用事例、導入のメリット・デメリット
マルチクラウドとは マルチクラウドとは「複数のクラウドサービスを併用し、目的によって使い分けること」を指します。一社のクラウドに全てを委ねないので、様々なベンダーから自社に最適なものを選ぶことができます。 マルチクラウド化する時に使われる代表的なサービスには、アマゾンの「AWS」やマイクロソフトの「Azure」があります。こうした大手クラウドサービスはもちろんのこと、ビジネスチャット、クラウドスト…
目次
なぜ今、マルチクラウド環境が必要なのか?
企業が単一のクラウド環境から脱却し、マルチクラウドへと移行する背景には、主に3つの切実な理由があります。
特定ベンダーへの依存(ベンダーロックイン)のリスク回避
1つのクラウドサービスにシステムを完全に依存してしまうと、将来的に他社サービスへの乗り換えが困難になる「ベンダーロックイン」に陥ります。
ベンダー側の一方的な仕様変更や大幅な値上げがあった際、交渉の余地なく受け入れざるを得ない状況は、企業にとって大きな経営リスクとなります。
特に、海外クラウドを利用している場合は、為替の影響により契約時には想定していなかった高額支払いに転じてしまう可能性があります。
大規模障害時のリスク分散・BCP(事業継続計画)対策
いかに堅牢なメガクラウドであっても、大規模なシステム障害やネットワークダウンのリスクはゼロではありません。
実際に、メガクラウドを利用されている方の中には、これまでにも何度もこういった障害に遭遇し、業務やサービス提供がストップしてしまった経験があるかと思います。
しかし、マルチクラウド環境を構築してシステムやデータを分散させておけば、万が一メインのクラウドが停止した場合でも業務の完全停止を防ぎ、迅速な復旧(BCP対策)が可能になります。
システム要件に合わせたの最適化
すべてのシステムをハイスペックなメインクラウドで稼働させる必要はありません。
たとえば、機密性の高いデータベースはデータ主権のリスクを回避できる国産クラウドに、データ転送量が多いサービス・システムに関してはデータ通信量が従量課金ではなく無制限のクラウドに、といった形で「適材適所」のインフラ配置を行うことで、全体の運用リスクやコストを大幅に最適化できます。
第二のクラウド(サブクラウド)を導入・運用する際の課題

マルチクラウドには多くのメリットがある一方で、安易に「第二のクラウド」を追加すると、かえって現場の首を絞めることになりかねません。
実際に第二のクラウドとなるサブクラウドを導入・運用した場合に発生する可能性がある課題について紹介します。
運用管理の複雑化とエンジニアの学習コストの増加
異なるアーキテクチャを持つ複数のクラウドを管理するには、それぞれの専門知識が必要です。
現時点でメイン環境だけで運用が手一杯な状況だと、サブ環境の学習コストまでエンジニアに強いるのは現実的ではありません。
また、学習コストの課題が解決できたとしてもその後の運用対象が2つになるため、管理運用負荷は大小あれど増えることになります。
クラウド間のデータ転送費用やネットワーク遅延
クラウド間で大容量のデータをやり取りする場合、想定以上のデータ転送料金が発生することがあります。
また、物理的なデータセンターの距離によってはレイテンシといわれるネットワーク遅延が生じ、パフォーマンス低下を招く恐れがあります。
そのため、こういったリスクを把握しないままに第二のクラウドを選んでしまうと、反対にコスト増大やサービス品質の低下のリスクが生じます。
メインと同じ「複雑な大手クラウド」を選ぶリスク
AWSのサブ環境としてAzureやGCPを選ぶケースは少なくありません。しかし、メインと同じような「多機能で複雑な従量課金型メガクラウド」を第二のクラウドに選ぶと、コスト管理の難しさと運用負荷が単純に2倍になってしまうリスクがあります。
もちろん、要件を満たすために必須だったり、クライアントから指定されているといった状況であれば仕方ないですが、そうでなければ別の選択肢も検討すべきでしょう。
マルチクラウドの選び方

前述の課題をクリアし、マルチクラウドの恩恵を最大限に引き出すためには、メインクラウドの弱点を補完してくれる「第二のクラウド」を戦略的に選ぶ必要があります。
コストパフォーマンスと料金体系の明瞭さ
サブ環境には、月額固定料金や上限が設定されているなど、予算が読みやすい料金体系のサービスを選ぶのが鉄則です。
特に、メガクラウドのようにデータ転送量が従量課金制であることに対し、データ転送量が無制限に設定されているサービス、かつ国産クラウドのように為替の影響を受けないサービスであればほとんどの場合は事前に毎月のコストを正確に把握することができます。
これにより、予期せぬ為替変動やトラフィック急増によるコストの跳ね上がりを未然に防ぐことができます。
万が一の際に頼れる、日本語での手厚いサポート体制
システム連携でトラブルが起きた際、海外ベンダーのサポートでは対応が遅れがちです。
いざという時に、国内の専任担当者へ日本語で迅速に相談できるサポート体制があるかどうかは、運用負荷を下げる上で極めて重要なポイントです。
メインクラウドの弱点を補完できるインフラの柔軟性
パブリッククラウドが苦手とする「特殊なライセンスを伴うレガシーシステムの移行」を受け止められるクラウド環境は変わらず重宝されます。
そのため、第二のクラウドには単なる仮想サーバーだけでなく、物理サーバー(ベアメタル)も選択できるようなインフラの柔軟性が求められます。
マルチクラウド候補の比較
では、具体的にどのようなインフラを第二のクラウドとして選ぶべきでしょうか。
自社に最適な構成を見極めるため、代表的なインフラサービス(レンタルサーバー、VPS、クラウド/ベアメタル)の特徴を、5つの重要なカテゴリーで比較してみましょう。
| レンタルサーバー | VPS | ハイブリッド型クラウド | |
|---|---|---|---|
| 導入しやすさ | ◎ (非常に簡単) | ◯ (比較的簡単) | ◯ (直感的なパネル操作) |
| カスタマイズ性 | △ (ほぼ不可) | ◯ (OSレベルで可能) | ◎ (物理サーバー専有も可能) |
| 安全性 | △ (他ユーザーの影響あり) | ◯ (仮想的に独立) | ◎ (完全専有で高セキュリティ) |
| 運用しやすさ | ◎ (サーバー管理不要) | △ (OS以上の自社管理が必要) | ◎ (明瞭なコスト・運用代行も可能) |
| サポート | ◯ (一般的なマニュアル対応) | ◯ (一般的なマニュアル対応) | ◎ (国内専任エンジニア直結) |
| 第二のクラウドの適性 | △ (Webサイトなど用途が限定的) | ◯ (小・中規模システムのサブ環境向け) | ◎ (エンタープライズの分散先・DB基盤に最適) |
一般的なレンタルサーバーやVPSは手軽ですが、大規模トラフィックの処理や、独自のセキュリティ要件が求められるエンタープライズのサブ環境としては、カスタマイズ性や安全性に不安が残ります。
一方、クラウドの柔軟性と物理サーバーの堅牢性を兼ね備えた「ハイブリッド型クラウド」であれば、メインクラウドの弱点を見事にカバーすることが可能です。
第二のクラウドの最適解。カゴヤ・ジャパンの「FLEX」とは?
ご紹介した比較を踏まえ、メガクラウドを補完する「第二のクラウド」として特におすすめしたいのが、KAGOYA FLEXが提供する定額制の国産クラウドサービスです。
FLEXは、マルチクラウドのサブ環境として求められる厳しい条件をクリアする、以下の3つの強みを持っています。
① クラウドとベアメタルの「いいとこ取り」
FLEX最大の魅力は、用途に合わせてクラウド(仮想サーバー)とベアメタル(物理サーバー)を自由に組み合わせ、同一のローカルネットワーク内でシームレスに連携できる点にあります。
「Webフロントは柔軟にスケールするクラウドで、高いI/O性能とセキュリティが求められるデータベースは物理サーバーの完全専有環境で」といった、メガクラウド単体では高額になりがちな構成も、FLEXなら最適化されたコストで構築できます。
② クラウド間連携に強い「定額制・広帯域ネットワーク」
大手クラウドのサブ環境として運用する際、ネックになるのが「データ転送量の従量課金」です。
FLEXは、データ転送量による従量課金が発生しない料金体系を採用しているため、メインクラウドからの大規模なデータバックアップや、トラフィックの多いシステムの分散先として、コストを気にせず安心して運用できます。
③ インフラ運用を手放せる、国内ベンダーならではの「手厚いサポート」
複数の環境を管理するエンジニアの負担を軽減するため、FLEXでは専門の技術担当者が導入前の構成相談から構築、導入後の運用保守までをフルサポートします。
万が一のトラブル時も、時差や言語の壁がない国内の自社データセンター常駐エンジニアが迅速に対応するため、自社の運用リソースをコア業務に集中させることができます。
【まとめ】マルチクラウド戦略を支える強固なサブ基盤を手に入れよう
これからのシステム運用において、単一のクラウドに依存しない「マルチクラウド」は、リスク回避とコスト最適化のための必須戦略です。
そして、その戦略を成功させるためには、メインクラウドと同じ複雑なサービスを重ねるのではなく、「柔軟なカスタマイズ性」「明瞭で安心なコスト」「頼れるサポート体制」を持った第二のクラウドを選ぶことが重要です。
カゴヤ・ジャパンの「FLEX」は、まさにその要件を満たすハイブリッドなインフラ環境を提供します。
メインクラウドのコスト削減や、より安全なシステム分散化をご検討中の担当者様は、ぜひ一度FLEXの導入を検討してみてはいかがでしょうか。














