約2,800人の職員対象の人事評価フローを紙媒体から電子化

武田病院グループ

公開日:

会社名 武田病院グループ
事業内容 病院・医療施設、健診センター、その他介護・福祉施設の運営
企業URL https://www.takedahp.or.jp/

武田病院グループ本部
医療情報管理部 大木 達雄氏
武田病院グループにおける情報システム部門の責任者として、既存システムの自動化やAI・RPAによる自動化などDX推進を行っている。

ご利用中のサービス
  • Forguncyプラン
採用の決め手
  • アカウント課金のSaaSを使うのに比べ、大幅に予算を節約できる
  • システムに、外部 (スマホ) からアクセスが可能
  • 2007年から、別サービスを安定利用できていることの信頼感 (レンタルサーバー・メールプラン 専用タイプ)

「武田病院グループ」は、京都府下に9つの病院と50超の施設を擁し計1500以上の病床を備える民間の医療組織。
慢性期から高度急性期までの医療に加え、地域診療所、介護・福祉施設など幅広いサービスを提供している。

グループで年2回行われる約2,800名の職員を対象とした人事評価制度において、紙媒体で行っていたすべてのフローを『FLEX Forguncyプラン』を活用して電子化することに成功。専用のSaaSサービスより安価にセキュリティ面も安心の内容で、大幅な評価工数の削減を実現した。導入・開発を担当した同社事業部の大木達雄氏にサービスの決め手や移行の感想を伺いました。

 

武田病院グループについて教えてください

京都府の地域医療を支える医療組織

武田病院グループは「Bridge The Gaps(心と心、地域社会との間にかけ橋を)」をモットーに、京都府内の地域医療を支える病院グループです。医療法人康生会武田病院と医療法人医仁会武田総合病院を中核とした9つの病院と50超の施設を擁し、幅広く継ぎ目のない医療を提供しています。
患者さんの精神的・身体的・経済的負担を軽減するため、医療DXを含めた最新技術の導入・活用に積極的な点も同グループの特徴です。

Forguncyを導入した経緯

紙で運用していた人事評価の電子化が急務となっていた

当グループでは年2回、約2,800名(常勤職員医師以外)の職員を対象とした人事評価を行っています。
従来はこの人事評価を全て紙で運用しておりました。詳細のフローとしては、まず職員本人が紙に自己評価を記入したものを所属長へ手渡し、所属長が評価を記入した上で2次評価、3次評価、その後グループの役員による決裁が行われるといった流れです。

上記のフローからお分かりの通り、人事評価の度に大量の紙が京都全域に広がる当グループの病院・施設を飛び交っておりました。流石に効率が悪過ぎるということでグループの理事長から「電子化するように」というオーダーを受けておりました。

コスト面の優位性とワークフロー機能が利用できることからForguncyを採用

人事評価フローの電子化にあたり、最初に利用を検討したのが専用のSaaSサービスです。 数社検討しましたが、人事評価のSaaSサービスはアカウント単位の課金となるのが大きなネックでした。私どもが調査したサービスでは1アカウントあたりの価格が月額数百円で、それが約2,800人分となるとその費用は膨大です。
さらに、人事評価は年2回のため、使用しない時期の方が長くあります。直接売り上げに寄与しない領域でもあったため、高額なアカウント費用を定期的に払い続けるというのは現実的ではありませんでした。

 

そこで次に選択肢としてあがったのが、ノーコードでプログラミングできるForguncyでした。Forguncy であればライセンス単位の課金となり、SaaSに比べて大幅に費用負担が軽減できます。さらに、人事評価に必要なワークフロー機能が備わっている点も大きなポイントでした。
実際にデモで数パターンをみて上層部も含めて数社を検討し、最終的な費用対効果でForguncyを採用することになりました。

 

導入後の成果

Forguncyを導入した成果は一口では言い表せない程

Forguncyによって人事評価のフローを電子化したことの成果は、一口では言えないですし数値化するのも難しいですね。
今まで、大量の紙を印刷して京都中に点在する病院や施設へ回し、適宜記入してシステムに取り込むという非効率な作業をしていました。Forguncyを使い電子化することで、「システムにデータがあるので記入しておいてください」と指示すれば済むようになりました。仮にどのくらいの工数が節約されたか算出するとしたら、物凄い数値になることは言うまでもないです。

また、人事評価にかかる時間についてもトータルで大幅に短縮できました。特に役員の評価が圧倒的に効率的に行えるようになりました。評価としては、最終的に約2800名の考課用紙が役員のところに届きますが、それらをパソコンで検索しながら評価ができ、また過去歴も閲覧しながら対象期間の考課をすることが出来るようになりました。以前は紙のファイルで探しながら作業しておりましたので圧倒的な差が出ています。

画像:人事評価システム画面イメージ

Forguncyは人事評価システム以外でも活用できている

現在、Forguncyは人事評価システム以外でも使っています。
その1つが職員の心のケアを目的とした、ハラスメントの内部通報システムです。匿名でシステムにハラスメントの告発が登録された場合、メールで関係者に通知される仕組みになっています。
こちらは評価システムに比べ、ずっと簡単に構築できました。

 

導入時、困難な点はありましたか

Forguncyによるシステムの作り込みはノーコードだけでは難しかった

当初は、Forguncyを使った人事評価システムの作り込みについて「ノーコードだけである程度いけるだろう」と思っていました。しかし実際のところ、要件定義の内容を実現するためにはノーコードでは実現できないことも少なくはなく、帳簿以外のシステムを作り込むのには技量がないと難しい部分があります。

当グループでは結局のところ、プログラミングによってForguncyによるシステムの作り込みを行いました。結果、Forguncyのサポート担当者が「複雑過ぎて理解できない」と言うほど実務に即したシステムに作り込むことに成功し、現在の運用に至っています。PHPでプログラミングして自分達でシステム構築することに比べれば、いくつか制約はありましたが、費用感・自由度はかなり高いのでその点にメリットを感じています。

Forguncyは、確かにノーコードでもある程度の機能性を備えたシステムの構築は可能ですが、少し複雑なことをしたいのであればプログラミングのスキルが必要ですね。

 

なぜ、KAGOYA のサービスを選んだのか

外部からスマートフォンで接続する必要があったため

評価フローを電子化する際、「外部ネットワークからスマートフォンで接続できること」が要件に上がっていました。しかし当病院のネットワークは閉域網で、外部から接続させることはできません。
ただ、カゴヤさんの提供しているForguncyプランであれば、アプリの実行環境をクラウドで提供しているため、スマートフォンからでもアクセスできました。また、専用ファイアーウォールで外部アクセスを制御できたのでセキュリティ的な安心感もありました。

実際にForguncyプランで評価システムの運用を始めたところ、職員の8割がスマートフォンで利用していました。残りの2割は所属長など、デスクにパソコンを持っている職員からの接続です。院内のWi-Fiを使ってシステムにアクセスしている職員もいれば、自宅からスマートフォンでアクセスする職員もいます。紙で人事評価を行っていた当時と比べ利便性が高くなったので、院内でも好評です。

 

構成図

サービスへの信頼

以前より、カゴヤさんのマネージド専用サーバーやメールサービス使用して、安定的に使えており信頼しておりました。
そのカゴヤさんがForguncyプランを運用されているとわかって、サービス利用者として長年の安心感があったためForguncyプランも安心して導入できました。

 

今後の展望を教えてください

地域医療を守るためセキュリティの向上が至上命題に

現在、医療機関を対象とした、サイバー攻撃が増えている状況です。たとえば、ランサムウェアによって電子カルテのシステムが攻撃され電子カルテが使えなくなると、病院としての機能が停止してしまいます。
地域医療を支える重要なシステムですので、仮にダウンしてもすぐに復旧できるような仕組を構築するなど対策をおこなっている状況です。

病院のDXについても進捗させたい

病院のDXについても、いろいろな取り組みをおこなっています。人事評価システムの電子化もその一環ですが、他にもChatGPTなどを使い患者さんを誘導できるシステムを構築できないかと検討しているところです。

またDXの観点で、社内業務の効率化についても施策を行っています。たとえば職員がパスワードを忘れた際、仮パスワード発行の対応をする自動応答システムの構築を検討中です。

記事でご紹介したサービス

  • Forguncyプラン

    Excel感覚でレイアウトができる画面デザイン機能を備えたノーコードWeb開発&運用プラットフォーム。